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社会派・ドラマ

【若者の闇】映画「そこのみにて光輝く」あらすじと感想

投稿日:2017-02-05 更新日:

【そこのみにて光輝く】若者の成長や苦悩を描いた作品

(写真は公式HPから。音が出るので注意してくださいね。)

こんにちは、Michiyoです。

今日は映画レポです。

池脇千鶴ちゃんが気になってレンタルビデオ店で借りてきました。最近あんまり見かけないですが、自然体で好きな女優さんの一人です。

この映画では、そんな彼女がどうしようもない底辺の女性を演じています。

彼女の性格や行動が底辺なのではなく、彼女を取り巻く環境が底辺ということです。

この映画では、若者たちが底辺環境から必死で抜け出そうとして、途中希望も見えてくるけれども、やっぱり抜け出せない。

そんな若者の闇について、描かれています。

映画のあらすじを紹介しながら詳細をレポートしたいと思います。

【あらすじと感想】目を背けたくなるような底辺女性の人生

主人公は綾野剛が演じる20代後半くらいの青年です。

かつて危ない仕事をしていて、そこで仲間を失い、その過去のトラウマとたたかっているという設定です。

簡単に言うと、仕事から逃げ出して遠くの街にやってきてフラフラしている青年です。

毎日、何をするわけでもなく・・パチンコをして、家に戻って、を繰り返していました。

ある日パチンコ店で、人懐っこい若造(20代前半くらい)と出会いました。

いかにもヤンチャな風貌だけど、笑顔がかわいく、二人は一緒にパチンコ店を出て歩きます。

この若造は、今大人気の菅田くんが演じています。

演技派3人による映画のため、この映画、なかなか見ごたえがありますよ。

 

物語に戻りますが、パチンコ店を出た後、二人はこの人懐っこい若造の家に行きました。

その家で若造と一緒に暮らしていた女性が、池脇千鶴演じる最底辺の女性です。若造の姉になります。

二人にチャーハンを作ってもってきてくれたのですが、そのときの姿が、無造作ヘヤーに露出した格好ということで、生きる気力をなくしていた青年の心を奪いました。

彼は彼女に目を奪われたのです。

それを察知した若造が、『あんな女、好みなのか?』とちゃかしますが、ここから3人の関係が始まっていきます。

彼女をとりまく環境

さて、なぜ池脇千鶴演じる、若造の姉が底辺女性なのかについて、説明します。

まず、弟である若造は、人を刺した罪で刑務所(少年院?)あがりという設定でした。

つまり彼女は犯罪者の姉という立場でした。

そんな刑務所上がりの若造が働ける場所は、なかなかありませんよね。

そこを何とか若造の面倒を見てくれているのが、地元では有名な会社の社長です。

その社長は小さな田舎で権力を持っている男でした。

弟がお世話になっているということで、姉である彼女は、その男のいいなりとなり、毎晩のように体を求められていたのです。

また、彼女の家族に目を向けると、若造と彼女にとっての父親は精神疾患もちでした。

詳細は言及されていませんが、おそらくセックス中毒のようで、寝たきりにもかかわらず「おーーい、おーーい」と蚊のなくような声で、妻(彼女たちの母親)を部屋に呼んではセックスをしているという描写があります。

母親がいないときは、なんと娘である彼女が、手で処理しているという悲惨な光景まで描かれていました。

 

おそらく、若造が犯罪者になったのも、彼女が最底辺の環境におかれているのも、こういった親の影響(家庭環境の影響)であるところが大きいと言えるでしょう。

そして当然のことながら、母親は働いていませんでした。家でひたすら父親の相手をして過ごしているのです。

つまり、この4人の暮らしは彼女の稼ぎ頼みだったのです。

彼女は昼は缶詰工場で働き、夜はスナックで一生懸命働いていました。

 

これが彼女の生きている環境です。

私が以前取り上げた「鬼畜の家」という本で描かれている、子供を殺した親たちの特徴を満たしていますよね。(→こちらの記事参照

彼女は幸い子供はいませんが、もし社長に体を売っているうちに妊娠してしまったり、はたまた若くして結婚し子供がいたりすると・・・

最悪の場合、虐待といった行動に出てしまっていた可能性が高い環境であるといえます。

 

【彼女の転機】青年と恋、弟と3人で実家を出る決断

この物語は、ひたすら彼女の暗い現実を描くわけではありません。

そんな彼女が、ついに心惹かれる人と出会い、愛し合うことを知るところからストーリーは進んでいくのです。

その相手が、最初にでてきたトラウマを抱えた青年です。

彼女は幸い、自分のことをさらけだし、そして信頼できる人に出会えたのです。

青年もまた、彼女に過去のトラウマを話すことで、その出来事を乗り越え、再び働こうという意欲が芽生えるところまで回復できたのでした。

この2人の愛に、さらに彼女の弟である刑務所あがりの若造も巻き込んで、3人はやっと暗闇から抜け出せそうというストーリーになっていきます。

 

【若者の闇】ハッピーエンドで終われない!最底辺女子の心の闇

3人はまず今の悪い環境から抜け出す決心をしました。

彼女はまず、例の社長に会いに行き、きっぱりと縁を切りたいと直談判しました。

そして、青年は再び働くことを決め働き先を確保しました。

さらに、その働き先に彼女と弟である若造を連れていく計画をたてました。一緒にこの街を出ようと言ったのです。

彼女は喜び、若造も喜び、その準備をしていた矢先です・・

彼女を金で買っていた社長が、再び彼女の前に現れました。

彼女は何を言われても決意は固く、社長を無視します。

しかし社長は「弟のことで話がある」と家族をだしに、彼女を脅迫してきたのです。

そして彼女を車に乗せ、人気のないところに連れていきました。

そこで彼女は社長に再び犯されました。その描き方もまたリアルで、目を背けたくなる光景でした。

・・・

そんなことがあった日の夜、街では祭りがありました。

社長は地元の権力者です。

そんな事件を起こした後にも関わらず、平然とたくさんの人を集めて楽しそうに酒を飲んでいます。

そして大勢の前で、酔っぱらって言ったのでした。

「今日も○○を抱いてやったよ。ちゃんとカネ払ってるんだからいいだろ?」と。

それを彼女の弟である若造が聞いてしまいました。

若造は社長のもとに向かい、殴り掛かるわけでもなく冷静に言いました。

「姉ちゃん、人生やり直そうとしてるんすよ。もうお願いだからそっとしておいてあげてもらえませんか。」

しかし社長は、指を二本たてて言い放ちました。

「この指、まだ姉ちゃんの匂いするぞ」と。

それをきいた若造は、手に持っていた凶器(たこ焼き用のトング?)を社長に突き刺しました。

・・・

きゃーーと悲鳴が響き、社長が痛がります。

若造は呆然と立ち尽くします。

最初に書きましたが、若造は刑務所上がりです。

どんな事情があるにせよ、こんなことをすれば、また刑務所に戻ることになるにちがいないでしょう。

また事情を知る人たちも若造をかばうことはないでしょう。なぜなら社長はこの街での権力者だからです。

 

抜け出そうとしても、地元や家族からは逃れられない現実

これをきっかけに彼女の人生はまた振出しに戻りました。

「私なんか、やっぱり幸せになれないんだ」

彼女はそう悟ったのです。

「私はこの街で生きていくんだ」

そんな言葉を残して、この物語は終わりました。

彼女は、すぐそこまで近づいていた幸せを手放し、結局両親を見捨てて街を出ることもできず・・

おそらく青年とはお別れしたのではないでしょうか。

最後の結末までは描かれていませんでしたが、それが彼女のような底辺環境に身を置いてしまった女性の抜け出せない闇ということかもしれません。

 

【まとめ】若者の闇に迫る映画「そこのみにて光輝く」

まるでドキュメンタリーをみているようなリアルな映画でした。

世の中、いえ私たちの周りにもこのような女性がたくさんいるのではないでしょうか。

実際に、私は何とか力になれないかと女性(とくに未婚の母)への支援活動をしています。

しかし、この映画と同じように、闇を抱えた彼女たちを救うには、自分は力不足だということを日々思い知らされています。

残念ながら、このような底辺環境で育ってしまった人の場合、なかなか他人がその状況を変えてあげることはできません。

「まあ、私の人生こんなものだから」

「育ち悪いから、しょうがないよね」

こんな言葉を彼女たちはよく言います。

最初は抜け出したいと願っていて、こちらがそのための支援を申し出ても、ちょっとした困難や逆境に襲われると、彼女たちはあっさりと抜け出すことを諦めてしまいます。

誤解を恐れずに言うと、大人になってしまった彼女たちを救うことは非常に難しいです。

「そこのみにて光輝く」

若者の闇がリアル描かれている映画です。よかったら観てみてください。

演技は3人の演技が本当に素晴らしく、引き込まれます。

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