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【がん】プレシジョン・メディシンとは?最先端のがん治療

投稿日:2017-05-07 更新日:

がん治療「プレシジョン・メディシン」とは?

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今週のダイヤモンド「がんと生きる」ではがん宣告を受けた働き盛りの方々の生き方について書かれていました。会社への報告、家族との過ごし方などなど。

そして最後のトピックが「がん治療」についてということで、最先端のがん治療とも言われている「プレシジョン・メディシン」の特集がされていました。

 

プレシジョンって「明確」「的確」「厳密」といった意味ですよね。つまり、的確な薬という意味です。これまでのがん治療というのは、とにかく細胞毒性に頼っていたんですよね。

放射線でがん細胞を死滅させるとか。

細胞分裂を阻害する薬でがん細胞の増殖を阻止して死滅させるとか。

あくまで細胞毒性なので、がん細胞以外の細胞も死滅させてしまうため、がん細胞と同じように増殖がはやい細胞はやられてしまっていました。

そのため、副作用として毛が抜けたり、胃腸粘膜がやられたり・・・しましたよね。

 

そんなあらゆる細胞に毒性をもつような方法ではなく、あなたのがん細胞にだけ効く薬を提供しようというのが「プレシジョン・メディシン」です。

狙い撃ち治療ということです。

 

プレシジョン・メディシンとは個別化医療の最たるもの。遺伝子レベルでがんを治療!

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もう少し、プレシジョン・メディシンの概要を説明したいと思います。

がんとは、すなわち「悪性腫瘍」のことですよね。腫瘍とはふくらんだものですから、良性腫瘍ならそれはただの「できもの」「かたまり」にすぎません。

しかし、悪性腫瘍はがん化した細胞によってつくられたもので、スピードに差こそあれ大きくなっていきます。なぜなら、がん化した細胞とは、すなわち高い増殖能をもった細胞ということです。

なぜ細胞ががん化するか?というと、細胞の形質(性質)がかわるからです。

形質がかわるのはなぜかというと、遺伝子がかわるからです。細胞の形や、大きさ、増えるスピードなどあらゆる形質は、遺伝子に支配されています。

では、なぜ遺伝子がかわるかというと、遺伝子に傷がついて、それが治らなかったからです。

遺伝子に傷がつく原因は、紫外線、放射線、化合物(薬物、食物とその代謝物などあらゆる物質)が細胞を刺激するからです。

なぜ遺伝子が傷ついてもがん化する人としない人がいるかというと、遺伝子の傷を治すことができた人はがん化しないし、遺伝子の傷を治すことができなかった人はがん化するということです。

高齢になるほどがんになる人が多いのは、諸説ありますが私の意見としては、遺伝子の傷を治す力が衰えてくるからです。

さらにいうと、細胞ががん化しても、それが一つなら免疫細胞に食べられて終わりです。高齢者の場合、免疫機能が落ちてきてしまっており、がん化した細胞を数が少ないうちにやっつけきれていないということも大きいと思います。

 

よく肺がん患者さんに、喫煙歴をききますが私にしたらあの質問はナンセンスだと思います。

何年、何十年吸っていようが別にがんになる可能性に違いはないともいます。それよりも短期間に大量のニコチン(発がん性物質)を体内に取り込む方が危険です。一気に多くの細胞の遺伝子が傷つきますから、傷を治すのもおいつかないし、傷を治せずがん化してしまった細胞を捕食する免疫細胞も足りないからです。

 

喫煙歴の長い人に肺がんが多いのは、ニコチン依存により一日に体内に取り込むニコチン量が増えているのと、年をとって傷を治す力や、免疫力が落ちてきているからだと私は考えています。

→「たばこは肺がんの原因になります」という常識に違和感をかんじていることについては、こちらの記事を参照してください。

 

 

と前置きが長くなりましたが、このように遺伝子の傷が細胞のがん化を引き起こします。そして免疫からも逃れたがん化細胞が増えて、腫瘍となります。

この仕組みを生かして、免疫強化によりがんをやっつけようというのが、最近話題のプレシジョン・メディシンの一つ、「がん免疫」ですね。

 

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がん免疫療法は、これまですべての免疫細胞に作用する「インターフェロン」という薬剤が利用されていました。

しかし、すべての細胞に作用するということは、それだけ副作用も強く出て危険な薬ということです。

そこで、がん化細胞をやっつけるのに特化した免疫細胞(T細胞のみ)の働きを高めようというのが、「オプジーボ」などの最近登場したがん免疫治療薬ですね。厳密には働きを高めると言うよりは、弱まっていた力を復活させてやるといった作用機序ですが。

 

ダイヤモンドでは「なぜ、がん免疫療法はインチキ扱いされるのか?」について書いていましたが、上記のとおり「がん免疫療法」はきちんと理にかなった治療法で決してインチキなんかではございません。

インチキ扱いは、オプジーボなどが登場する前に、巷で「がんに効く」「免疫強化剤」「免疫を強くする方法」などといって詐欺まがいの商売が横行していたからです。その名残が強いというだけのことです。

 

免疫細胞ががん化した細胞をやっつけるというのは、全くもってうそではないのです。

したがって「笑っていればがんにならない」というのも一理あります。笑顔はストレスを軽減します。ストレスは免疫低下の原因ですからね。

 

 

さてさて長くなってきましたが、プレシジョン・メディシンには「がん免疫療法」以外にもあります。

むしろプレシジョン・メディシンの申し子といえば「分子標的薬」です。

 

分子標的薬とは?

分子標的薬とは、がん化した細胞だけがもっている特定の分子を見分けて、狙い撃ちで細胞死に導く薬です。

上のように、これまでの抗がん剤や放射線などは、がん化した細胞とその周辺にまとめて爆弾をおとすようなイメージですが、分子標的薬はがん化した細胞だけをピストルで撃っていくような攻撃イメージです。

したがって、副作用が少なく治療効果も高いという特徴があります。

 

しかし、今説明した分子標的薬(がん細胞のみに作用)も、先程のがん免疫治療薬(T細胞のみに作用)も、効く人にはものすごく効くけれど、効かない人には全くきかないのです。

なぜなら、その免疫細胞(厳密には特定の蛋白を細胞の表面に持っているT細胞)や、その分子(がん化した細胞の表面にくっついている分子)は、すべてのがんで共通しているわけではないからです。

同じ種類のがん(例えば肺がん)でも、その分子をもっているがん化細胞もいれば、別の分子をもっているがん化細胞もいます。

 

したがって、プレシジョン・メディシンを受けるには、事前にあなたのがん、そして免疫細胞はどういった種類の細胞かということを調べないといけないのです。

この検査は「がんクリニカルシーケンス」などと呼ばれています。つまるところ、遺伝子検査になります。

 

がんクリニカルシーケンス検査とは!?

「がんクリニカルシーケンス検査」とは、最先端のがん治療を受ける前には原則受けないといけない検査になります。

なぜなら、結果によっては全く抗がん剤が効かないからです。抗がん剤は効果がなければ、副作用があるだけですから、一か八かでつ使うわけにはいきません。

 

この「がんクリニカルシーケンス検査」は全国でも、まだ受けられる病院が限られています。また仮に検査を受けて治療効果がありそうだということになっても、プレシジョン・メディシンは十分な医療環境が整い、その抗がん剤に関する研修を受けた医師がいるようなところでないと受けることができません。

そのため、今京大病院などの実施可能施設には、がん患者からの依頼が殺到しているそうです。

彼らはみんな「従来の抗がん剤は全て試したが効かなかった」というような方たちばかりです。なんとか、最先端の抗がん剤に救いを見出したいという気持ちでしょうね。

 

しかし、検査を受けた方々がその後どうなったか?

検査を受けた方の内、約8割くらいの方は、効果がありそうな抗がん剤が見つかるそうです。

しかし、そのうち実際に治療を受けることができる人は3割程度・・・・

 

なぜだかわかりますか?

まず一つに、これまでさんざん抗がん剤を試してきて効果がなかったわけですから、全身に転移してしまっている方が多くをしめるわけですよね。したがって、全身状態が悪化し、治療が難しい状態の方が1/3程度。

次に、効果がありそうな抗がん剤はみつかったけれど、合併症(がん以外に、例えば糖尿病をもっていたり、自己免疫疾患をもっていたり・・)をもっていたりすることで製薬メーカーおよび厚労省が規定している使用条件に適さない方がやはり1/3程度。

そして3つ目の理由が、医療費が高額で手が出ないということです。薬代はもちろん、地方に住んでいる人なら都市部で治療が受けられる大きな病院に転院しないといけません。家族の交通費なども含めて、とても手が出ないという現状です。

実際、これらのプレシジョン・メディシンは非常にそれぞれのがん化細胞に個別に合う薬を提供しているわけですから、それぞれの薬自体は私用される患者さんの規模は小さく、それゆえに非常に高額なのです。

 

また治療を受ける前の時点で、「がんクリニカルシーケンス検査」だけでも費用は100万円近くかかります。100万円出して検査を受けても、実際に治療を試すことができる人は、8割×3割で25%程度の方ということです。

 

「プレシジョン・メディシン」にはがん患者さんやそのご家族にとって希望の光ではありますが、その一方で多くの課題があり、実際に我々一般国民の手には遠い存在ということですね。

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