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【オプジーボ】適応外使用について

投稿日:2017-05-18 更新日:

オプジーボ「保険診療できる癌は5種類だけ」2017年4月時点

オプジーボ

こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。

夢の新薬「オプジーボ」が登場して、もう2年以上になりますね。

はじめに適応が承認されたのメラノーマから、今では5種類の癌に適応が拡大されているのを、みなさんご存知ですか?

今日は、オプジーボの最新の使用状況についてレポートしたいと思います。

 

【オプジーボ】2017年4月時点の適応症

オプジーボ 添付文書

現在オプジーボを保険で使用可能なのは、悪性黒色腫(メラノーマ)、肺がん、腎がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がんです。

上記がんの全てに適応ではなく、たいていが難治性の(すなわち手術や放射線、従来の抗がん剤が効かなかった)がんに対してのみ使用が認められています。

よって、添付文書にはこのように記載されています。

 

【効能・効果】

根治切除不能な悪性黒色腫

切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫

再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌

 

オプジーボの使用実績は?

肺②

これら現在適応になっている5種の癌のうち、実際にオプジーボはどの程度の割合で使われているのでしょうか。

小野薬品のHPに使用実績がのっていたのでまとめてみましょう。

 

悪性黒色腫(メラノーマ):約2,000人

一番初めに適応になった「悪性黒色腫」は、日本人には比較的が稀な癌で、年間10万人あたり1~2人くらいが罹患するとされています。

2011年時点で、日本で約4000人の患者さんがおり、そのうち約半分の2000人がオプジーボを使用した実績があるようです。

悪性黒色腫の患者さんは、平均年齢は62.5歳と高齢の方に多いですが、20代、30代の若い世代の患者さんも多く、夢の新薬にかける患者さんも多いのでしょうね。

 

非小細胞肺癌:約14,000人

こちらは2015年末に適応になって以来、ものすごい数の人が使用されています。

日本人は肺がん罹患率が高く、年間10万人あたり80~90人もの患者さんが発症する癌です。

男女比では圧倒的に男性が多く、発症は40代から一気に増えていきます。

肺癌には、小細胞肺癌と非小細胞肺癌があり、85%が非小細胞肺癌のため、オプジーボの適応の患者さんも非常に多いということですね。

使用開始から約1年で14000人もの患者さんが使用されています。

 

腎細胞癌:約1,000人

腎細胞がんは、半年ほど前に適応になりました。こちらはまだ使用開始してからの期間も短く、約1000人の使用実績があるようです。

腎細胞癌は50~70歳代で多い疾患ですが、最近は人間ドックなどで超初期の段階で見つかる人も多いようです。

腎臓は左右二つあるため、がん部分を大きく切除したり、片方を切除しても生存可能なため、比較的予後が良く、転移・再発の腎細胞癌の患者さんは少ないと言えます。

ただし、人間ドックなどを受けていないと、腎細胞癌はほぼ症状がなくすすむため、見つかった時には末期だったということにもなります。

 

古典的ホジキンリンパ腫:約50人

ホジキンリンパ腫は、リンパ球ががん化する病気です。

ホジキンとは聞き慣れないかもしれませんが、リンパ腫の中でも「ホジキン細胞」が出現する種類の癌で、リンパ腫全体の約7%を占めています。

日本人では年間発症者が150人程度ということで、こちらの使用実績はまだ約50人のようです。

適応が認められたのが昨年12月と数か月前ですからね。今後は増えていくかもしれません。

 

頭頸部癌:約50人

最後に、最近適応が認められた頭頸部癌です。

頭頚部癌は、顔面~頸部にかけての癌のことで、脳や脊髄以外の腫瘍をさします。主に耳鼻咽喉科にかかる癌ですね。

口腔(舌癌など)、鼻腔、甲状腺、咽頭、唾液腺などの癌をいいます。

こちらもまだ使用開始されてからわずかであり、さらに罹患人口もそれほど多くないため、使用実績はいまのところ約50人ということです。

 

自費診療なら適応外の癌にも使用可能

オプジーボは夢の薬と言われるだけあって、これまでの抗がん剤とは作用機序が全くちがうため、他の薬が効かなかった人には最後の頼みの綱ともなっているようです。

そのため、適応となっている5種類の癌以外にも使用実績が多くあるようです。

これから紹介するのは、文献や学会の抄録などから、私が得たほんの少しの情報です。

乳がん、卵管癌、子宮癌、胃がん、大腸がんなどに自費診療で使用されている実績が見つかりました。

おそらく他にも食道がん、肝臓がん、すい臓がん、胆のうがん、膀胱がん、etc・・・多くの癌で適応外使用の実績はあると推測します。(情報が得られ次第、追記していきますね)

 

また、自由診療で、実際の使用量の1/10程度の少量を投与するといったことをしているクリニックもあるようです。

賛否両論おこっていますが、オプジーボは様々な使われ方をしているようですね。

 

というのも、オプジーボの作用機序から考えると、様々な癌に効果がある可能性が高いからでしょう。大変高額な薬ですが、最後の頼みの綱として自由診療で使ってみるというのもわからなくはないです。

 

しかし、あくまで現時点で効果が認められているのは5種の癌だけです。

また、適応が認められている疾患においても、死亡に至るなどの重大な副作用が報告されており、安易な使用は避けるべきです。

 

オプジーボ、自費診療でかかる治療費は?

オプジーボは20mgと100mg瓶があり、20mgで75100円という価格です。

(2016年11月の薬価改定まではこの2倍の価格がしました。)

適応が認められている5種の癌では、2mg/kgで3週間隔、あるいは3mg/kgで2週間隔での使用が認められています。

その用法・用量に合わせて使用すると、体重50kgの人で1回の薬代が100mgで364,925円、150mgで547,387円です。

約35~55万がかかります。

効果があるかどうかを確認するまでにかかるのが約4~5回投与後と言われているため、最低でも5回使用すると考えて、薬代だけで200~300万円かかります。

効果があらわれて1年間程度使用すればなんと2,000万円以上かかる計算です。

もちろんこの金額は、薬代だけでです。入院費や、各種検査費など合わせると、適応外の自費診療では莫大なお金がかかるということですね。

 

適応外使用の場合の効果や副作用は?

適応外で多額の医療費をかけて治療を受けたとしても、全員に効果があるわけではありません。

実際に、これまで適応が認められている5種の癌でも、おおよそ2割の患者さんで効果が見られるとのことです。

つまり、効く人には劇的にきく(がんが全くなくなったと言う人もいるそうです)ために、その可能性にかけてみたくなりますが、現実は8割の人にはそれほど効果がないのです。

しかも、効果がないだけならまだ良いですが、抗がん剤には副作用という悪い影響だけが現れる場合もあります。

 

では、ここからは文献で報告されていた、オプジーボの適応外での使用実績について少し紹介したいと思います。

 

乳がん

乳がん

乳がんは、最近は芸能人や有名人などが公表した影響もあり、検査を受ける女性が増えているようですね。

小林麻央さんの乳がんは、とくに進行が速いタイプのものだったようですが、実際に低年齢で見つかった場合の乳がんは、進行がはやく、リンパなどへの転移もしやすいため一気に病期がすすんでしまうことが多いです。

そこで、オプジーボに望みをかけて適応外で使用されている方も多いようです。

効果の有無についての情報は残念ながら得られませんでした。気になっていた方、申し訳ございません。

一方、副作用については、適応の5種の癌で起こる副作用とほとんど同じ割合でみられるようで、基本的にはirAEよばれている免疫関連性の副作用が現れる確率が高いようです。

→オプジーボで起こりうるirAEについては、添付文書や小野薬品のHPなど、各種公式資料にのっております。

こちらの記事にも情報をまとめているので、参考にしてください。

 

卵管がん、子宮がん

こちらも女性特有の癌ですね。(乳がんはまれに男性で罹患する方もいらっしゃいます)

卵管や子宮などの女性生殖器の癌も、患者さんが多いことでしられています。

また罹患すると子供を産むことができなくなったり、ホルモン分泌が乱れるため、体調面への影響が大きく問題となる癌でもあります。

これらの癌にも、オプジーボが適応外で使用されているという報告を見つけました。

こちらは単に使用しましたといった情報だけで、特に効果や副作用などの有用な情報はございませんでした。

しかし作用機序などから考えるに、効果や副作用の発現率などは、適応の5種の癌と大差ないものだと考えられます。

 

胃がん

胃がん

続いて、たくさん報告されていたのが胃がんです。

胃がんは日本人に非常に多い癌ですよね。

胃がんにオプジーボを適応外で使用したという実績も、文献や学会発表資料の中に多くみつけました。

というのも、胃がんは現在小野薬品が適応申請をしている癌です。(承認時期については、こちらの記事をご参照ください。)

予定では今年(2017年)の秋には適応が認められるようですが、承認を待たず、現在までに自費診療で多くの方がオプジーボの治療を受けていらっしゃるようです。

効果はもう間もなく承認されるということからも、これまでの5種の癌とかわらないことが予想できますし、副作用もirAEに注意して使用すればよさそうですね。

学会の資料でも、添付文書にのっている副作用と同様のものが報告されていました。

 

大腸がん

さて、日本人に多いもう一つの癌が「大腸がん」ですね。

大腸がんに適応外でオプジーボを使用したという報告も学会資料などで見かけました。

大腸がんも罹患すると、生活の質が大きく低下しますし、有名人などで闘病を公表している人も多いです。

こちらの大腸がんは、まだオプジーボの適応に承認される見通しはたっておりません。

そのため使用するには適応外で自費での診療を受けるしかなく、治療のハードルは高いと言えます。

効果などに対する大規模な調査報告もないため、医師としっかりと相談して、副作用であるirAEに要注意しながら使用しないといけないです。

大腸がん

ダイヤモンド「がんと生きる」では、大腸がんには「がん免疫」の効果があまり期待できないと言ったことがかかれていました。

現在は新たな分子標的薬の登場に期待するしかないようです。

 

【まとめ】オプジーボの最新の使用状況(2017年)

以上、オプジーボの現在の適応と、使用実績、適応外使用について、まとめてみました。

私が得られた情報のみで、不十分な部分も多く、お役に立てなかったかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

余談ですが・・・抗がん剤やがん治療についての私の見解です。

私がこのブログをはじめたきっかけは、会社の上司が“がん”を患い、それ以来がんという病気について調べ始めたからです。

そこで、“がん”は、ガン自体で命を落とすのではなく、治療を受けること(即ち“がんと闘うこと”)で命を落としてしまうんじゃないかという疑惑を抱き始めました。

知ろうとしなければ、そんなこと考えもしませんでした。

だって、私は医学を志してきた人間ですし、実際に薬の研究開発に従事していたのですから。

でも、知れば知るほど、医療の怖さ、医師や医学を盲信することの怖さを知りました。

健康診断で“がん”が見つかったら、みなさんどうしますか?
“早く精密検査を受けて、小さいうちに、転移しないうちに、急いで治療しないと”って考えませんか?
ゆっくり本を読んで、自分の生き方(死に方)を考えて、人に相談して、、なんて余裕はなくなってしまいますよね。

でも、がんの大敵は「ストレス」なんです。

そして、これは私の個人的な感覚ですが、第二の敵が過剰な治療なんです。

数日、数週間、数ヵ月くらいのんびりしていても、病状はかわりません。むしろ、それくらいの短期間で病状がかわる種類のガンなら、どんな検査をうけても、どんなに急いで治療を受けても効果なしです。

今とくに症状がないなら、まずは診断書をもって会社を休職し、そのあとゆっくり1ヶ月くらい本でも読みましょう。
雑誌やネットで情報収集するのはオススメできません。

なぜならそういったものには、スポンサーがいて、そして真実をかけないからです。医学の世界はそういうものなのです。

だから、自らの経歴を棄てて、意を決して情報発信しているアウトローな医師の著書や、患者様から直接利益を受けていない医療従事者や、研究者が書いた本などを、ぜひじっくりと読んでみてください。

治療を受けるのは、それからでも遅くないと思います。

まずは、自分はどんな治療を受けたいのか、治療を受けてどうなりたいのか、についてしっかりと考える時間をもっていただきたいと。

医療に携わってきたものとして、切に願っております。

 

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