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【ヤーボイ】オプジーボとのちがい ※追記2017/10【ヤーボイよりオプジーボの方が有意】

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夢の新薬「オプジーボ」に先立って米国で承認されていた「ヤーボイ」とは?

ヤーボイ添付文書

※ヤーボイは現在、日本でも承認されていて使用可能です。

 

みなさん、がん免疫ときけば「オプジーボ」を思い浮かべますよね。しかし、実は2010年に最初に世界で承認されたがん免疫薬というとブリストル社から販売された「ヤーボイ」になります。

日本では、2014年に「オプジーボ」が初のがん免疫薬として承認されました。

今回はこの「オプジーボ」と「ヤーボイ」のちがいについて説明したいと思います。簡単にいうと作用機序がちがいます。期待される効果はほとんど同じです。

つまり、米国では承認されていますが、「オプジーボ」と「ヤーボイ」を一緒に使うことで、二つの作用機序から効果を得られる可能性もあります。その一方で、副作用も強くでることがわかっていますので、日本ではまだ併用での使用は承認されておりません。

→オプジーボやヤーボイで発現する副作用については、こちらの記事

 

では、作用機序のちがいについて説明します。

まず、オプジーボもヤーボイも私たちの体に備わっている免疫機構に作用するという点は同じです。

その作用する対象も同じで、免疫機構のうち、T細胞とよばれている免疫細胞に作用します。T細胞には、「どんどん働けスイッチ」と「ちょっと休憩しなさいスイッチ」というのがたくさんあって、がん細胞は「ちょっと休憩しないスイッチ」を押してT細胞の働きを抑制していることがわかってきました。

がん免疫薬は、その「ちょっと休憩しなさいスイッチ」を押されないように防御するお薬ということですね。オプジーボとヤーボイはその防御するスイッチが違います。

オプジーボの作用機序

オプジーボは、T細胞の表面に飛び出している「ちょっと休憩しないさいスイッチ」のうち、PD-1というスイッチを防御します。

そのため、添付文書には「ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体」と記載されているのですね。

ヤーボイの作用機序

ヤーボイは、T細胞の表面に飛び出している「ちょっと休憩しないさいスイッチ」のうち、CTLA-4というスイッチを防御します。

そのため、添付文書には「ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体」と記載されています。

 

 

つまり防御するスイッチがちがっているだけで、がん細胞やその他の体内に入った異物をやっつけてくれる「T細胞」の「お休みスイッチ」を押されないようにして、よく働くようにするという作用自体は同じです。

ということは、スイッチひとつを防御するより、二つを防御したほうが、より効果は期待できそうですよね。そこで考えられたのが、オプジーボとヤーボイの併用療法です。

 

オプジーボとヤーボイの併用療法(米国で承認済み)について

実は、米国ではすでにオプジーボとヤーボイの併用療法は承認されています。小野薬品のHPに掲載されている臨床試験の結果にも、米国で実施されている併用療法の安全性や効果について言及されていました。

その文書を読む限り、併用による相乗効果(一つより二つの方がより効果が増すこと)も確認される一方、その分副作用も強くでる傾向にあるとのことが記載されていました。

こういったことから、日本ではまだ併用療法は承認されていません。

オプジーボもヤーボイも、添付文書には「本剤は他の抗悪性腫瘍剤と併用しないこと」と記載されていますよね。これは、単独で使うことだけが保険診療で認められているということです。

 

がん免疫療法

以上、夢の新薬といわれたがん免疫についてオプジーボとヤーボイをもとに作用機序などの違いについて説明してみました。

実は2017年には、がん免疫の世界に新たな薬が登場しましたよね。

2017年、オプジーボと作用機序が同じ「キイトルーダ」が承認され、メルク社から販売されることになりました。(→キイトルーダについての説明は、こちらの記事へ)

がん免疫療法は、「オプジーボ」だけでなく「ヤーボイ」「キイトルーダ」という選択肢もあります。

基本的な薬理作用にかわりがないことから、発現する副作用も同じ種類のものが多いですが、その性質や発現頻度には違いもあるようです。

医師とよく相談して、さらにご自身やご家族の方も自身で正しい情報収集をして、より効果が期待でき、副作用の不安が少ない治療薬を選択していただきたいと思います。

 

※追記(2017/10)

つい先日、とうとう国際共同評価において、メラノーマの免疫チェックポイント阻害薬における治療において、ヤーボイとオプジーボのどちらが効果が高いかといったデータが出ました。

その結果、予想通りとも言えますが、オプジーボの方が効果が高いことが統計学的な有意差をもって示されたということです。

つまり、PD-1阻害の方が、CTLA-4阻害よりも効果が高いことを示唆していますね。

現在は、PD-1阻害薬として「キイトルーダ」もメラノーマの治療薬として承認されています。オプジーボとキイトルーダはいずれもPD-1阻害ですから、こちらの効果の差などはまだ結果が出ていないということになります。

 

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