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【オプジーボ】注意しないといけない副作用(irAE)

投稿日:2017-05-23 更新日:

オプジーボで頻発する副作用「irAE」とは?

オプジーボ

こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。

急速に使用が拡大している免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」。夢の新薬と言われ、その効果ばかりが取り上げられがちですが、その裏で頻発している副作用もあります。

今日は、オプジーボで頻発する免疫関連有害事象(irAE)についてレポートしたいと思います。

 

オプジーボの作用機序

オプジーボは、T細胞とよばれている免疫細胞に作用するお薬です。

T細胞は、異物を攻撃する役割をもつ白血球の1つです。異物には細菌やウイルス、そしてがん細胞なども含まれます。

このT細胞には、簡単に言うと「どんどん働けスイッチ」と「ちょっと休憩しなさいスイッチ」というのがついています。がん細胞はT細胞からの攻撃を逃れるために、「ちょっと休憩しなさいスイッチ」を押してT細胞の働きを抑制していることがわかってきました。

オプジーボは、その「ちょっと休憩しなさいスイッチ」をがん細胞に押されないように防御するお薬です。このスイッチにはいろいろと種類があるのですが、オプジーボはそのうち「PD-1」と呼ばれるスイッチを防御します。

 

免疫抑制機構の役割について

T細胞ってすごい!がん細胞もやっつけるんだ!それなら、どんどん働かせないと!と思いますよね?

でも現実は、そういうものでもないのです。

T細胞が活性化されすぎると、今度は何でもかんでも攻撃してしまうようになります。この結果、自分の細胞までもが攻撃をうけて起こる疾患を「自己免疫疾患」といいます。

また過敏症(アレルギー)なども、過剰に免疫反応が出てしまうことによって起こる症状です。

私たちの体というものは、免疫に限った話ではなく、様々なところで絶妙にコントロールされて、ちょうどいい状態を維持しているのですね。

 

このように、T細胞は、働きすぎても休憩しすぎてもよくないので、バランスを保つために「ちょっと休憩しなさいスイッチ」や「しっかり働きなさいスイッチ」がたくさんついているのです。

 

【irAE】オプジーボによるる副作用の作用機序と主要な症状

オプジーボによってT細胞が働きすぎ状態になると、上記のような自己免疫疾患やアレルギー症状が現れることが問題となっています。

これがオプジーボで最も注意すべき「副作用」ですね。

オプジーボのようながん免疫薬によって引き起こされる、免疫関連性の副作用のことを、専門用語でirAE(immune-related Adverse Events)とよんでいます。

オプジーボの添付文書をもとに、重要なirAEについてみていきましょう。

 

①間質性肺疾患

間質性肺炎

まず、オプジーボを使用するうえで最も注意しないとけないのは「間質性肺疾患」です。

肺は簡単に言うと、空気が入っている部分と、それ以外の部分にわかれています。空気が入っている部分が肺の実質で、それ以外の部分を間質といいます。

この間質には免疫細胞がたくさん存在するため、オプジーボにより免疫細胞が活性化された結果、間質の重要な細胞たちが攻撃されてしまい炎症をおこします。

その結果起こるのが、深刻な間質性肺炎です。

実は、オプジーボではこの「間質性肺炎」によって死に至ってしまった患者さんもいるということがはっきりと添付文書に記載されています。(※警告とはじめに赤字で記載されています)

オプジーボ警告

 

これは私の個人的な感覚ですが、免疫細胞によって肺の間質細胞が攻撃されることに加えて、オプジーボは肺がん患者さんに多く使われています。(オプジーボの疾患別使用割合は、こちらの記事参照

したがって、オプジーボ使用前に肺への放射線照射治療を受けている患者さんが多かったり、これまでに他の抗ガン剤治療をうけている場合が多く、そのような治療歴が積み重なって、最終的にオプジーボ使用により深刻な「間質性肺炎」を発症するリスクが高いのだと考えています。

 

最も注意すべき副作用として「間質性肺疾患」が挙げられていますが、基本的に免疫細胞は体中のいたるところに存在するため、どの臓器もほぼ同等のリスクがあるという考えられます。

 

実際に添付文書には、他にもさまざまな臓器でirAEが起こることが記載されています。

Ⅰ型糖尿病

 

Ⅰ型糖尿病

続いては、すい臓です。

知っている方も多いと思いますが、すい臓には2つの役割があります。

一つは上の図のように、胃や肝臓、十二指腸などと隣接していることからもわかるように、「食べたものを消化する」という役割です。膵液という消化酵素を分泌しています。

もう一つの重要な役割が、血糖値のコントロールです。こちらは、すい臓のランゲルハンス島とよばれる部分の細胞が担っている役割で、「インスリン」を分泌して血糖値をコントロールしています。

オプジーボでは、すい臓の細胞も攻撃される可能性があります。

膵臓の細胞のうち、消化酵素を分泌する細胞が9割をしめており非常に多いのですが、インスリンを分泌する細胞は数が少ないです。

その結果、攻撃されるとインスリン分泌が急激に低下してしまいます。

その結果、みなさんよく耳にする「糖尿病」を発症します。この場合、2型糖尿病のような「糖のとりすぎ」によるものではなく、インスリンが出ないことによる症状のため、「1型糖尿病」とよばれます。

いったんⅠ型糖尿病を発症すると、インスリンを注射し続けないといけなくなり、QOLが大きく低下する副作用の1つです。

 

内分泌障害(甲状腺機能障害、下垂体機能障害、副腎皮質機能障害)

甲状腺

続いても自己免疫疾患としてよく知られている「内分泌系障害」です。

みなさん、バセドー病ってきいたことがありますか?

しっかり食べてるのになぜか体重がどんどん減ったり、ちょっと階段をのぼっただけで息が切れたり。

でも本人はすごくやる気がみなぎっていて目がギラギラ・・・そんな病気です。もちろん症状は人によってさまざまですが、これは甲状腺というホルモンを分泌している臓器の病気です。

このようなホルモンを分泌している臓器を「内分泌器官」とよびます。

オプジーボは、甲状腺を含む内分泌器官を攻撃することも知られています。

甲状腺の細胞が攻撃、破壊されると「破壊性甲状腺炎」を起こし、壊れた細胞から大量のホルモンが放出されるため一過性の“甲状腺機能亢進症”を示します。そしてその後、破壊された細胞は元に戻らないためにホルモンが産生されず、今度は“甲状腺機能低下症”となります。

こちらも1型糖尿病のときの同じで、細胞が破壊されてしまっているために回復する可能性は非常に低く、体内でつくることができなくなったホルモンを薬で一生補充していくしかありません。

甲状腺の他にも、副腎や下垂体とよばれる内分泌器官が攻撃をうけ、ホルモンバランスが大きく乱れることがあります。

 

大腸炎(免疫関連性腸炎)

大腸炎

最後に紹介するのは、大腸炎です。

こちらも生活の質がおちてしまうという点で、非常に重要な副作用の一つですね。下痢がひどくて、電車にも乗れないという悩みを抱えている患者さんも多いとききます。

オプジーボによって免疫が活性化された結果、副作用として大腸炎が引き起こされる可能性もあります。

しかし、大腸炎の場合は、「1型糖尿病」や「内分泌障害」とはちがい、ホルモンを補充し続ける必要はありません。

ステロイド剤で免疫細胞の働きを抑えて攻撃をやめさせれば、腸の細胞は増殖が速く、比較的復活しやすいため、時間の経過とともに回復することが多いです。

しかし、難点はオプジーボを再開するとまた起こる可能性が高いということです。

「1型糖尿病」や「内分泌障害」の場合、軽度であればホルモンを補充しながらオプジーボの投与を継続できる可能性があるのですが、大腸炎は投与しながらのコントロールは非常に難しいと考えられます。

 

【まとめ】オプジーボの副作用(irAE)について

以上、オプジーボの投与によって起こりうる重要な副作用「irAE」についてまとめてきました。

ここで紹介したのは、特に注意を要するもので、他にもあらゆる臓器が免疫細胞による攻撃をうける可能性があるため、注意が必要です。

例えば、免疫関連性の肝炎、免疫関連性の筋炎、関節炎(リュウマチ)、神経炎・脳炎などが添付文書に記載されており、実際に副作用として一定の割合で報告されています。

irAEは早期発見してオプジーボの投与をただちに中止することがポイントです。またステロイド(免疫を抑える薬)で治療をすれば、比較的スムーズに治癒に向かうものも多いです。

(ただし、ステロイドをどこでやめるのか、オプジーボを再開するか等は、医師とよく相談しないといけませんが。)

オプジーボの治療を受ける際は、あらかじめどういった副作用がでるのか、初期症状はどういったものか、しっかりと医師に確認し、自己判断せずすぐに相談するようにしましょう。参考にしていただけると幸いです。

 

 

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