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【細胞研究のわな】薬の効果や毒性評価に使われる細胞の真実

投稿日:2017-07-09 更新日:

【科学の罠】それでも安心して治験に参加できますか!?

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みんさん、お薬の研究・開発がどうやって進むかご存知ですか?お薬は、薬効(効果)や安全性(副作用)を確認することで、世の中にでてきます。

昔はもっぱら、薬効や安全性の研究は動物を用いて行われていました。しかし、最近の主流は、まずは細胞実験で試して、効果が大きく、副作用が小さそうなものを絞ってから、動物実験→人での実験へという流れになっています。この細胞実験での絞り込みを、スクリーニングと言います。

例えば、抗がん剤に効きそうなものが見つかった!となると、それをヒト由来のがん細胞に投与して、効果を判定します。また効果があるだけでは薬にはならないため、同時期に種々の臓器由来細胞に投与して、細胞毒性も確認したりします。

このような細胞実験→動物実験というのが主流になったのは、やはり動物とヒトは違うということで、動物実験ではほとんど副作用が問題にならなかったのに、ヒトで重大な副作用がでたというようなことが起こり問題になったからです。他にも、動物愛護の観点(なるべく使用する動物数を減らす)などもありますし、動物実験と細胞実験のコストの差もあります。

しかし、そんな細胞実験ですが、良いことばかりではないのです。科学の世界には、それで大丈夫?と思われる罠があるのです。

 

抗がん剤の効果を試すヒト細胞は女性由来!?

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例えば、今各製薬メーカーがとくに注力している抗がん剤の開発について考えます。抗がん剤は「副作用ありき」のお薬です。

みなさん、風邪薬で下痢や皮膚炎が起こったら「ひどい副作用だ!」と思うでしょうが、抗がん剤なら「まあ、これくらい」と思いませんか?

つまり抗がん剤の開発の上で重視されるのは、副作用より「効果」です。いかに既存の薬より効果が高いかということを示さない限り、その薬は売れません。もちろん、既存薬と比べてものすごく副作用が少ない薬を開発できた場合も売れると思いますが・・・抗がん剤ではなかなか難しいのが現実です。

では、その「効果」を示すためによく使用される「がん細胞」ってなんだか知っていますか?専門の方々はご存知だと思いますが、癌研究によく用いられる代表的な細胞は、子宮頸がんの女性から採取した細胞をどんどん増殖する細胞株に改造したものなのです。

この細胞を使って、「子宮頚がん」に効果がある薬をさがすというのならわかります。しかし、現実は・・・この細胞をつかって男性の「前立腺がん」の効果もみているのです。

それだけではありません。癌細胞としての利用だけでなく、どんどん増えるから使いやすい細胞として様々な実験にも使われています。

では。

あなたが、もし前立腺癌を患っており、製薬メーカーの治験に参加しないかどうか声をかけられたとします。そのとき「細胞実験で既存薬と比べて、こんなに効果がありました!」といったデータを示されると、どうでしょう?科学的にも効果が証明されているんだ!とすっかり信じてしまいませんか?

しかしその結果が、女性の「子宮頚がん」由来の細胞で実験した結果だとしたら・・・その科学的に証明された効果とやらを本当に信用できますか?

 

マウス実験は雄だけ!?

さらに、性差を無視した科学実験データというのは、何もヒト由来細胞だけの話ではありません。

動物実験においても、同様の性差に関わる問題が無視されている面があります。

それは動物実験の基本ともいわれるマウスを用いた実験では、使用されるのはもっぱら「雄マウス」なのです。これは、雌の動物には性周期などによってホルモンバランスがかわることで、例えば血液中の様々な物質の数値が変動しやすいなどの難しい点があるからです。

しかし、変動が少ないからと言って雄マウスでのみ実験をしていると、性差を判定することができません。

実際に薬などには、女性より男性の方が「肝機能障害」をおこしやすいものや、「心筋梗塞」の効果が雄でのみ確認され、雌では全く効果がないといったように、『性差』は存在しています。

 

性差に関する調査や研究が進むだろう

最近は上記のような性差の存在が明らかになっており、やっと製薬メーカーなどが出す研究データへの目も厳しくなってきています。

例えば、各メーカーに使用した動物の雌雄の数を報告するようにし、性の偏りがどの程度か調べたりといったことが行われ始めています。

しかしまだまだ調査がはじまった段階で、これまでの研究データも含めて、性差の視点を欠いた結果というものが一人歩きしている現状はかえられません。

みなさんが、もし治験への参加を考えたり、薬を服用するために添付文書や説明冊子などを見る際は、「性差がどうなのか」という点もこれからは意識してもらえると良いでしょう。

科学的なデータだからといって、安易に信じないことです。思わぬ落とし穴にはまりかねないですよね。

 

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