医療,ビジネス,子育て,恋愛,あらゆるテーマをレポ

MICHIYOレポ

教養・雑学・時事・レビュー等

【リベラルアーツ】教養の大切さ「なぜ今教養の必要性が叫ばれるのか」

投稿日:2017-08-15 更新日:

【教養とはなにか】池上彰・おとなの教養「教養とは自分を知ることです」

おとなの教養

こんにちは、Michiです。今日は書籍レポです。

私の大好きな池上彰さんの書籍「おとなの教養」をもとに、教養の大切さについてレポートしたいと思います。

池上さんと言えば、テレビの司会やジャーナリストとして有名ですが、実は東工大の教養学の教授としての顔ももっていらっしゃいます。

池上さんは、東工大から「教養を教えてくれないか」と話をいただいたそうです。なぜ、東工大という理系の学部しかないエリート大学で、「教養」が重要視されているのでしょうか。

その背景には、日本の過去の闇があったのです。詳しくみていきましょう。

 

【教養の大切さ】オウム真理教事件がきっかけだった!?

オウム真理教

日本は昔から大学の最初の数年間を「一般教養」にあてていました。

私も獣医師になるために大学に通いましたが、最初の2年間はほとんど他の学部の学生と一緒に、高校の授業の延長のようなことをしていました。

しかし、そうなると・・・「獣医学の勉強がしたくて入ったのに」という不満が学生の中に出てくるわけですよね。

また、新卒の学生をとる会社も「即戦力がほしい」という要望が強く、次第に大学は「一般教養」に時間を割くのをやめて、みっちりと専門を教え込むというカリキュラムに移行しつつあります。

しかし、そのような学生や会社の要望に応えて生み出された「教養無き人間(の一部)」がどうなってしまったか?

みなさんご存知のとおり、「オウム真理教」がうまれたわけです。

理系の超高学歴な学生たちが、専門性(だけ)を高く評価してくれる「オウム真理教」にすいよせられるように入団していったわけですね。

この中には、池上さんに教養の授業をお願いしたという「東工大」の学生もいました。そんなエリート理系卒業生たちが集まって作ったものが「人を殺す薬(サリン)」です。

地下鉄サリン事件に関わったオウム真理教幹部には、多くのエリート理系大学卒業生がいました。そこで、世の中が一般教養の大切さを見直したのです。

「専門性」を付ける前に、「人としての教養」を教える必要がある、と。オウム真理教事件は、私たち日本人の価値観というものを大きく変える出来事だったのですね。

【ハーバード大学】アメリカの名門大では学部の授業で専門教育がないって本当!?

ハーバード大学

そんな教養学後進国の日本ですが、日本以外の国はどうなのでしょうか。

ハーバード大学ときけば、知らない人はほとんどいないですよね。アメリカの超一流大学です。

実はハーバード大学の学部(4年間)では、一切専門教育が行われていないってご存知でしたか?

アメリカは私たちが住む「日本」とは違い、多民族国家です。肌の色が違う人はもちろん、宗教の違う人、州ををまたげば「法律」さえも違っている国です。

ハーバード大学にも、当然さまざまなバックグラウンドをもった学生が集まります。

大学を卒業した後も、就職先では同じように多様な人とコミュニケーションをとる必要があるでしょう。

そんな彼らには、専門知識をつけるより何より「人はどこからきたのか」というような究極の教養を学ぶことが必要不可欠なのです。

人類の進化、宗教、世界の歴史、アメリカの歴史、経済学・・・といった、まさに今回の池上さんの著書「おとなの教養」でまとめられているトピックについて、4年物歳月をかけてじっくりと徹底的に学びます。

そうして人としての土台を作った後に、日本で言うところの「大学院(修士・博士)」で専門分野を徹底的に学ぶのです。

学部では理系・文系などといった概念もなく、あらゆる分野を学習し、そうして4年後に自分の進路を決めます。

「医者になりたいから、メディカルスクールにいくよ」

「弁護士になりたいから、ロースクールへいくよ」

という具合に、学生が自分とは何か、としっかりと確認したうえで、今後の進路を自分で決めてすすんでいけるわけですね。

これと似たような制度をとっているのが、日本では唯一東京大学です。

東京大学は、入学時には学部が設定されていません。入試では、まず東京大学という日本で最高峰の大学に入学できる素地の良い学生を集めます。そして、最初の数年は全員同じ「一般教養」を学びます。

そのときの成績や、そこで学んだことから「自分は本当は何に興味があるのか」ということを再考し、その後の専門課程にすすんでいきます。

そのため「医者」をめざして東大・理Ⅲに入学したが、数年間で「人工知能・AI」に興味が出て、医学部ではなく工学部にすすむということもできるわけです。

ただし東京大学の場合は、理系と文系だけは最初から分けられています。ハーバード大ではそれすらないのですから・・・日本の受験生(高校生)とは全く感覚がちがうでしょうね。

【日本の教育問題】すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる

教養は「リベラルアーツ」と呼ばれます。

「liberal」は自由、「arts」は芸術や学問です。

「リベラルアーツ」とは「自由にする学問」ということになります。

 

【体験談】教養の大切さを実感した経験

私の話で恐縮ですが、私は獣医師になりたくてなりたくてたまらなくて大学にすすみました。

入学したころの私には「教養」=無駄であり、「専門」=神でした。

しかし、実際に獣医学の専門課程を学ぶようになり、私は進路を変更しています。そして現在の私は、臨床の獣医師として活躍していません。

私の大学は、幸いにして大きな国際的な研究所をもっていました。私はその研究所に所属している先生の研究内容に興味をもち、その教授の研究室で専門課程を学ぶことに決めました。もちろん獣医学に関連した研究です。

でも、その研究室がまさにアメリカの大学生と変わらないような環境だったのです。

右向けば「お祈りしているイスラム教徒たち」、左向けば「真っ黒なアフリカ出身のクリスチャン」、そして庭では「赤ちゃんにお乳をのませるベトナム人」・・・とそんな環境でした。

 

例えば、研究所でパーティをすると問題が発生するわけです。

まず、日程が決まらないのです。

イスラム教徒には、明るいうちは食事をとれない「ラマダーン」という時期があります。そんな時期にんパーティーを設定しようとすれば、即アウトです。

 

さらに、日程が決まってパーティーが始まっても乾杯ができないのです。

なぜなら宗教上の理由で「飲酒」ができない人たちがいるからです。

 

さらに会費を集めようとすると、またまた大問題が起こります。

「どうして自分たちはアルコールを一切飲んでいないのに、同じ金額なのだ!?」

「どうして私たちは肉を食べていないのに、こんなにお金を払わないといけないの?」

といった不満がでてくるわけです。

 

その度に私は、宗教観、お金への価値観、人生観などなど・・・多くのことを学び考えるきっかけをいただきました。恵まれた環境だったということですね。

そうして彼らのふるさとに興味をもつようになり、彼らの帰省に同行させてもらいました。私は多くの国を訪れましたが、相手の家族から歓迎をされることもあれば、日本人に対してあまり良い顔を見せてくれない家族もいました。そんなことをきっかけに、日本の過去の歴史、世界の国々との過去の関係などにも興味をもつようになりました。

高校時代の一番嫌いな教科が「世界史」だったのに、私は大学(獣医学部)でまさかの「世界史」について一から学びなおしたのです。

獣医学の勉強をしにいったのに、「世界史の勉強」なんて、一見ものすごく無駄な気がしますよね。しかしこの無駄こそが、私のその後の人生の大きな支えになっているのです。

 

 

さて、少し私の話ばかりになってしまいましたが、ここからは教養学の大切さを実感できる数々の言葉を紹介したいと思います。

【教養の大切さ】日本人の大半が世界でたたかえない理由

グローバル社会

池上さんがハーバード大を視察した際に、学生がこんなことを言っていたそうです。

「私は経済学を学んでいるが、経営学は学ばない。」

 

また、慶応義塾大の塾長だった方は、こんな言葉を残しています。

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。

すぐに役立たないものは、長い目で見ると役に立つ。」

 

ハーバード大学だけでなく、アメリカのマサチューセッツ工科大学では「最先端の科学技術」を教える際に、教授たちは学生にこのような言葉を伝えるそうです。

「これは、ただの“今の”最先端にすぎない。

一応教えるが、4年後に大学を卒業するころには「古い技術」になっているだろう。」

 

いずれの大学も、そして学生たちも、「最先端の科学技術」や「幅広い知識」「高い技術」を学ぶことよりも、地頭を鍛えて、あらゆるものを吸収し(自分のものにし)、そして自分で新たなものを生み出す力をつけることに重点をおいているということです。

 

一方、日本の大学教育はどうでしょうか。

会社は新しく社員を採用するときに「専門知識がどれだけあるか」ばかりに注目する傾向にあります。実際に私が今働いている会社では、キャリア採用の方がほとんどです。

しかし、前職で「専門性」を磨いてきた期待されて高給で採用された人たちが、入社一年以内にやめていきます。逆に「未経験」で入った人が、問題なく仕事を続けていることも多いです。

キャリア採用の世界では、見誤った採用が世の中のスタンダードになっていないでしょうか。

新卒採用でも大学時代に何の研究をしていたか、何を専攻していたか、を重視する採用が目立っています。しかし新卒採用は「入社後の成長」を見越して、ポテンシャル採用することも多いですよね。

キャリア採用も専門性意外に着目して採用を勧めた方がよいのでは、と私は思います。採用の現場で専門性を重視される以上、学生も、社会人も、教養を学ぶための時間なんてとれないですからね・・

教養という無駄。

しかし、ほんの少しこれまで知らなかったことを知ろうとするだけで、世界が、人生がかわることがあります。池上さんの本はとてもわかりやすく読みやすいです。ぜひ読んでみてください。

 

池上彰 NHK出版 2014年04月
売り上げランキング : 1195

by ヨメレバ

アドセンス関連広告

-教養・雑学・時事・レビュー等

Copyright© MICHIYOレポ , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.