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【製薬会社】合併から10年、成功した会社と失敗した会社

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【製薬会社】合併は今後も進むのか!?

三社共同

こんにちは、Michiです。今日は製薬レポです。

製薬会社に勤めているみなさんも、これから製薬メーカーに就職や転職しようと考えているみなさんも、気になる話題「合併」についてです。

私が勤めていた会社も合併後に誕生した会社でした。

そして、勤めている間にも度々「合併」のうわさが流れては消えていく・・・それだけ製薬メーカーの合併や統合にはみんな興味がありますよね。

というのも、合併するときには必ず「リストラ」が行われます。当然、どちらの会社にも同じような職務についている人がいるわけですから、一方が残り一方はリストラか降格の対象です。

リストラは免れたとしても、部署が変わったり転居を伴う異動があったり、評価や給与体系が見直されたり・・・合併するととにかくそれまでの環境と大きく変わりますよね。

また、そういった外面だけではなく、内面の変化も重要なポイントです。2つの会社が一緒になるということは、考え方の異なる人たちが一緒に仕事をやっていくということです。これまで一緒にやってきた仲間とでもいろいろともめることはあったでしょうが、方針や考え方が異なる方々と一緒となると、さらに揉め事は増えるでしょう。合併によって職場のストレスが倍増することも・・・

合併会社にいたものとして、もっと深堀すると、いくら合併といえども、やはり「どちらが親か」というのが、なんとなくあるわけです。

それは合併前の規模で決まるところが大きいでしょうね。建前上は戦略的合併でも、現実は「規模の大きな方の会社が、小さな方の会社を吸収した」というような感情が、社内の人間には生まれてしまうわけです。

とにかく波乱の幕開けです。

そんな製薬会社の合併ですが・・・実は2000年代に日本の製薬メーカーは山之内製薬と藤沢薬品の合併を皮切りに、どんどんとすすみ、急激に数を減らした過去があります。

それでもまだまだ外資のメガファーマには歯が立たない規模です。今後、またより大きな会社をつくるべく、そういった波は再びやってくるのでしょうか・・・

今日はそのあたりの予想をたてなら、製薬会社の合併について考えたいと思います。

 

【2005年以降】急速に進んだ合併

製薬 合併

日本の製薬会社は2000年以代(正確には2005年以降)、急速に合併がすすみました。どういった合併がおこなわれ、現在の製薬メーカーが存在しているのかその歴史を振り返ってみましょう。

 

【大手製薬の誕生】

アステラス製薬

まず合併合戦の皮切りが、山之内製薬と藤沢薬品の合併でした。大手と準大手レベルの2社が合併し、アステラス製薬が生まれました。

他の合併会社とは違い、アステラス製薬と全く新しい名前になって誕生したために、今では過去に合併した会社だということを知らない人もいるでしょうね。

また、外資系の会社だと思っている人もいるとか・・・現在、国内メーカー第2位のメーカーに成長しました。

第一三共製薬

さて、他にも大手では、第一製薬と三共製薬が合併しました。こちらは2社の名前をそのまま合わせた「第一三共」という会社が生まれましたね。現在、国内第3位。

※国内の大手と言われる製薬メーカーは、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイですので、合併でうまれた大手はこの2社のみです。(ちなみにエーザイが、なぜ大手?という疑問が最近浮上しているようです。参考『エーザイが大手製薬を死守できるか?特許切れのがけから落ちかけ寸前!』

 

【準大手製薬】

準大手製薬 合併

準大手では、大日本製薬と住友製薬が合併して「大日本住友製薬」が生まれました。

また、田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して「田辺三菱製薬」も誕生。

さらに、協和発酵工業とキリンファーマが合併して「協和発酵キリン」できましたね。。

いずれも現在は、大手4メーカーに次ぐ「準大手~中堅」といったランクです。社名がいかにも合併会社なので、わかりやすいですよね。

 

【合併しなかった大手・準大手製薬】

製薬 合併なし

そんな12社が合併し、新たに6社が誕生という合併ラッシュの中で、当然合併しないという選択をした会社ももちろんありました。

その代表が、当時もそして現在も国内No.1の座にいる「武田薬品」ですね。さらに大手の座になんとか残っている「エーザイ」も合併しなかった会社になります。

他にも関西に根付いた会社、「塩野義製薬」や最近なにかと話題の「小野薬品工業」も合併しなかった会社です。いずれも、準大手~中堅といったランクになります。

 

製薬会社の合併は今後も進むのか・・・答えは「No」!?

さて、現在の製薬メーカーの誕生を振り返ったところで、ここからが重要なポイントです。

一番初めに書いた「今後も製薬会社の合併はすすむのか?」というみなさんが気になる未来について考えてみましょう。

もちろん未来はわかりませんが、「合併がすすむかどうか」は、結局「過去の合併で成果があったかどうか」を考えるしかありません。

ということで、ここまで挙げてきた・・・合併した会社「アステラス製薬」「第一三共製薬」「大日本住友製薬」「田辺三菱製薬」「協和発酵キリン」の合併前と合併後の成果についてみてみましょう。

 

「アステラス製薬」

合併前の研究開発費と合併後の研究開発費を比較します。

山之内製薬の研究開発費:588億

藤沢薬品の研究開発費:687億

アステラス製薬の研究開発費:1420億

合併によって単純に合算した費用「588+687=1275億」よりも、高い研究開発費用が捻出できています。

この時点でひとまず合併したことは失敗ではなかったといえるでしょう。というのも、製薬メーカーは新薬を出してなんぼの世界です。新薬を出すためには、研究開発費の確保が何より重要といっても過言ではないのです。

さらにアステラス製薬の場合、合併10年後の売上高は1兆3116億で、武田薬品(1兆7320億)に次いで国内2位に成長しています。もっと驚くべきところは、実は純利益は2187億円で、武田薬品(1149億円)よりもずっと大きく、余裕の国内No.1です。

従って、山之内製薬と藤沢薬品の合併は現在のところ『大成功』だったといえるでしょう。

 

「第一三共」

次に、もう一社の大手合併組第一三共についてです。同じく研究開発費を比較してみましょう。

三共製薬の研究開発費:865億

第一製薬の研究開発費:586億

第一三共の研究開発費は:1587億

こちらも、単純な合計額1451億円とくらべると、僅かですが・・・研究開発費は合併後に増加しています。したがってここだけ見れば、合併は「成功」とも「失敗」とも言えないでしょう。

では肝心の10年後の成果(売り上げ)はというと、第一三共の売り上げは9551億円で、国内第3位。しかし純利益はというとたった「534億」という寂しいものになります。

利益と研究開発費の割合がアンバランスということがわかります。つまり研究開発費がかさみすぎているのです。

これには、合併後の海外M&Aの迷走などで大金をつかってしまったことや、大型新薬がこけたことなどが影響しているといえそうですね。うまく利益として回収できていない状況です。

今のところ、第一三共は『成功とはいえない』という状況ですしょうか。

 

さて、準大手の合併はどうでしょうか。

【田辺三菱製薬】

準大手である田辺三菱製薬の合併前後の研究開発費も比較してみましょう。

田辺製薬の研究開発費:285億

三菱ウェルファーマの研究開発費:472億

田辺三菱製薬の研究開発費:731億円

合併前の合計が「757億円」でしたので、合併によって研究開発費に差はなしです。しかし、合併から10年後の売り上げは、なんと「4239億円」で国内第7位の好業績です。しかも驚くべきは、純利益が712億円・・・・あれ?第一三共よりも利益が高いです。

今のところ、田辺三菱製薬の合併は『成功』だったといえるでしょう。

※合併後すぐは、緑十字問題で信頼を失って大変な時期もありましたけどね・・・って私はこの会社で働いていたわけではないですよ。ただ就活で最終面接までいきました。その時、「世間をお騒がせさせて申し訳ないです」と深々と頭を下げられたことをよく覚えています。

 

と話がそれてしまいました。続いても準大手です。

【大日本住友製薬】

住友製薬は非上場会社だったため研究開発費が不明ですが、合併直後の研究開発費が「408億」、そして10年後の研究開発費は「808億」です。合併によって、しっかりと成長しているようです。

肝心の売り上げは、4116億円で、国内第8位。純利益は289億円と寂しいものです。

合併前の2社の規模から考えると、もう少し上位にいてもおかしくなかったわけで・・・

今の時点では、大日本住友は『成功とはいえない』という状況ですね。

 

【協和発酵キリン】

こちらは、合併直後(研究開発費:440億)も合併10年後(研究開発費:537億)も、研究開発費に大差はなしです。

売り上げが、3430億で国内第9位です。純利益も186億円ということで、少し心もとない数字ですね。

こちらも、現時点で合併は『成功とはいえない』という状況です。

 

【まとめ】製薬会社の合併は成功?失敗?

2005年以降に誕生した合併会社について、合併前後の比較をしてきましたが、この結果をみると・・・明らかに合併してよかった!成功!といえるのは「アステラス製薬」と「田辺三菱製薬」だけということになります。

初めにも述べましたが、合併後の会社は派閥なども生まれますし、何かと疲弊し、難しい環境です。そのようなリスクを負った割には、いまいち成功とはいえない会社の方が多いということですね。

さらに、ここで注目すべきなのは合併しなかった製薬会社の現在の状況です。

「武田薬品」は合併なしに国内No.1の座を維持しています。

また、最近勢いのある「小野薬品工業」も合併なしで現在国内12位。売り上げが2447億円、純利益が557億円です。純利益で見れば、第一三共や大日本住友、協和発酵キリンより上ということですね。

そして安定経営で、高い利益率を出しているのが、こちらも合併しなかった「塩野義製薬」です。なんと売り上げ3388億で国内第10位にもかかわらず、純利益は838億円です。アステラス製薬の「2187億」はあっぱれですが、売り上げ第1位の武田は純利益が「1149億円」です。塩野義製薬とそれほど差がないことには驚かされます。

 

以上の分析から、結論です。

国内製薬会社は、海外のメガファーマに対抗すべく今後も合併が進むのか!?

その答えは・・・

「No!!!」

もちろんこれは展望であり、未来は誰にもわかりませんが・・・上のような答えになる可能性が高いのではないかというのが、私の予想でありあす。

しかしながら、今後も新薬開発のコストはあがる一方です。さらに薬価改定が進められる予定です。生き残りをかけて「合併による疲弊やリスク」を顧みずに、再び合併が進む可能性も十分考えられます。

今後の新薬開発の流れにも注目しながら、製薬業界の動向を見守りたいと思います。

 

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