【延命治療】あなたは望みますか!?チューブにつながれて病院のベッドで迎える最期
こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。
今週のダイヤモンドの記事が、他人ごとではなくてとても気になったので紹介したいと思います。
タイトルは「延命治療を親に強いるのは圧倒的に50代息子が多い理由」。
この“親に強いる”という表現がとくに気になりましたね。なぜこのような表現がされているのでしょうか?
今日は延命治療について、私の体験談も含めながらレポートしたいと思います。
延命治療とは?(私の体験談もご紹介します)
みなさん、ご両親はお元気ですか?
私の両親は50代と60代で、まだ元気です。しかし、両親の親、つまり私の祖父母がまさに平均寿命前後の年齢です。
このトピックをみて、「私の親も、おじいちゃんに延命治療を強いたのだろうか・・・」と少し考えてしまいました。
というのも、孫の私の目から見ておじいちゃんの最期はかわいそうな姿に見えたからです。
私の祖父は、82歳で数年前に他界しました。お酒もたばこも大好きな昔ながらのおじいちゃんで、私は大好きでした。亡くなる2年前に誤嚥性肺炎を起こし入院しました。
食べ物を飲み込むことがうまくできない(嚥下障害)で、肺炎を起こしやすい状態でした。
年を取ると多くの人が、咀嚼(かむ力)が低下し、唾液分泌量も減り、さらに嚥下に関連した筋肉が衰え、食べ物が食道に正しく流れず気管(肺につながっている)に行きやすくなります。
極度の嚥下困難になり、肺炎リスクが高まると行われる処置の1つが「気管切開」です。祖父も亡くなる2年前にこの処置を受けました。言葉を発することができなくなります。
さらに、寝たきりになり、食べ物を胃に送り届ける食道の筋肉も衰えてしまうと、食べ物を口から摂取できなくなります。そこで行われる処置が「胃ろう」です。祖父は最終的に亡くなる1年前にこの処置も受けました。
これらの「気管切開」や「胃ろう」は延命治療の代表です。
そしてこれらの処置をするかどうかについて、祖父は一切自分の意志を話すことはできない状態になっていたため、全て私の両親を含めた息子や娘たち家族が相談して決めていました。
私には、何も話せない、何も食べられないまま1年ちかくベッドで寝ているだけのおじいちゃんが可哀そうに思えました。この気持ちは、私の両親も同じだったようです。
その数年後、祖母が同じような状況になりそうだったとき、両親は「延命治療をするかどうか」を祖母に確認し、「しなくていい」と祖母が言ったため祖母は何もしませんでした。
祖母はほとんど寝たきりですが、日に3回は体を起こしてもらってゼリー状の食事をとっています。
当然誤嚥してしまうことも多く、年に1、2回発熱し、肺炎様の症状がみられ、その度に私たち家族は死を意識します。それだけではなく、そのたびに祖母はしんどい思いをしているわけで、気管切開をすればそういった状態は避けられるのかもしれません。
どちらが良いか、それは一概には言えません。
ですが、祖母の意志を確認できていたからこそ、両親はその選択に自信をもっています。
かれこれそんな生活が3年以上続いていますが、おそらく祖母はこのまま老衰していき、いずれは最期を迎えるのだろうと思います。
自然な亡くなり方、ともいえるのではないでしょうか。
「延命希望率」と「延命治療実施率」の大きな乖離
さて、ここからは今回ご紹介するコラム記事についてです。
なぜ“強いる”という言葉がタイトルに使われているかは、この新聞記事から想像することができますね。
今や医療現場では多くの高齢の方が入院し、延命治療を受けられています。
しかし、実際にご本人が“延命治療を望んでいたかどうか”というと、おそらく大半の方は延命治療を望んでいなかったでしょう。上の新聞記事にもあるように、世論調査では実に81%の人が「自分自身への延命治療を望まない」と回答しています。
それにも関わらず、なぜ延命治療を受けている患者さんは多いのでしょうか?
それは、やはり家族が望むからということですね。
本人が望んでいなくとも、その意志を明確に書面などに残していらっしゃる方は少なく、結局家族の意志で延命治療が行われているという場合がほとんどのようです。
これは、一般的な延命治療の例で、決してタイトルにあるような「子供が親に“延命治療を強いる”」とまでは言えません。
親に延命治療を強いるとはどういうことか?
今回の記事では、そのような本人の明確な意志がない場合ではなく、本人が延命治療を望んでいないことを医師や看護師、近しい人に明確に伝えているにも関わらず、子が「延命治療をしてくれ」と懇願することを問題に挙げています。
そういった懇願をする例では、とくに50代の息子が多いとも書かれています。
なぜ、50代息子は親に延命治療を強いるのでしょうか?
50代の息子さんというと、まだバリバリ働いている現役世代ですよね。とくに今の若い世代と違い、50代では男性が働き、奥様は専業主婦という家庭も多いです。
従って、息子さんは自分の両親の看病(入院先へのお見舞いなど)も、専業主婦の奥様にまかせっきりという場合が多いようです。
しかし、いざ「危険な状態だ」ときいて病院にかけつけると、急にこれまで何も看病してこなかったことに後ろめたさを感じたり、死を受け入れる心の準備ができていなかったりするそうです。
そのため、「何としても命を救ってくれ」とものすごい勢いで医師に頼み込んでくる人が多いということです。
毎日接していた医師や看護師、そうして看病していた奥様などには、患者さんはきっぱりと「延命治療はしないでほしい」と意思表示をされていたにも関わらず、50代息子が自分勝手な都合で「延命治療」を強いてしまうことは問題ですよね。
さらに、質の悪い人では・・・
医師の判断で患者さんの意志を尊重して延命治療を行わなかった場合や、延命治療をおこなったが、その甲斐なくお亡くなりになられた場合には、「お前の腕が悪いからだ」と医師に暴言を吐く人もいるようです。
延命治療をするかしないかは、今や医療現場ではしばしば大きな問題になっているのですね。
しかし、そんな50代息子も、いざ自分のこととなると「延命治療はしなくていい」という考えをもっていることがほとんどだといいます。つまり、彼らが親におこなう延命治療は「本人のため」ではなく「自分のため」なのですね。
【まとめ】老親の延命治療問題
このような本人の望まない延命治療を強いることがないように、私たちにできることは、年老いた両親や、病を患った両親と、日頃からしっかりとコミュニケーションをとっておくことです。
また年齢にかかわらず、自分にもしものことがあった時には「延命治療を望むのかどうか」について、はっきりと意思表示をしておくことも大切ですね。
以前紹介させていただいた「エンディングノート」の必須項目にも“延命治療を望むかどうかの意思表示”が書かれていました。臓器提供の意志などと同様に、延命治療についても意思表示をしておく時代がきたということです。
※「エンディングノートの書き方」については、こちらの記事もご参照ください。
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