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【オプジーボ】副作用「ぶどう膜炎」とは?眼や全身に異常が出る「原田病」も!

投稿日:2017-08-10 更新日:

【オプジーボ】注意すべき眼の副作用「ぶどう膜炎」について

ぶどう膜炎④

こんにちは、Michiです。今日は医学(がん)レポです。

みなさん、ぶどう膜炎ってきいたことがありますか?

ぶどうの膜?何それ?って方もいますよね。

実はオプジーボの添付文書には「ぶどう膜炎」という副作用名が記載されています。このぶどう膜炎って侮ってはいけない副作用なのです。

というのも、ぶどう膜とは大切な眼の一部分で、炎症を放っておくと失明してしまう可能性もあるからです。

今日はこのオプジーボの副作用で起こりうる「ぶどう膜炎」について詳しくレポートしたいと思います。

 

【ぶどう膜】場所はどこ?どんな機能をもつの?

ぶどう膜炎③

ぶどう膜とは、眼の中の3つの部分を合わせたものをいいます。

上の図の脈絡膜、毛様体、虹彩を合わせて、ぶどう膜です。ちょうどこの3つの部分をつなげると、ぐるっと一周円をかく感じになりますよね。

さらに、これら3つの部分に共通するのが、メラニンという黒い色素をもっていることです。

黒くて丸い・・・そうです!果物のブドウの房のようにみえたから、ぶどう膜とよばれています。

脈絡膜は、その内側にある膜『網膜』に栄養物質や酸素を運ぶ役割を持ちます。

毛様体は、レンズ(水晶体)の厚さを調節してピントを合わせたり、房水という眼球の前部分の空間を満たす水を作っています。房水は栄養分を届けたり、不要物を回収したりする役割があります。

虹彩は、眼に入る光の量を調節します。瞳孔の大きさを変えるという役割ですね。

これらはいずれも、『視る』ということに関して重要な役割を担っていることはわかっていただけたかと思います。

「ぶどう膜炎」とは、この3つの部位に炎症が起こることですので、当然眼の機能に影響がでてしまいます。

 

ではどうしてオプジーボで、ぶどう膜に炎症が起こるのでしょうか。次はその機序について説明していきましょう。

【オプジーボ】ぶどう膜炎が起こる理由!

オプジーボ

オプジーボは、ガン免疫薬として日本で一番早く承認された夢の抗がん剤です。

免疫チェックポイント阻害剤とも言われ、ガン細胞によって働きが抑制されていた免疫細胞(T細胞)を活性化させて、ガン細胞を攻撃させるというメカニズムのお薬です。

その結果、副作用としては、免疫が過剰に活性化されることによる免疫関連事象(irAE)が最も懸念されています。今回のテーマである「ぶどう膜炎」も、実は免疫に関連した症状の一つなのです。

添付文書には、重症化しやすい「重要な副作用」と、「その他の副作用」という2つに大別して副作用が記載されています。

今回のテーマである「ぶどう膜炎」も、添付文書のその他の副作用の表の中に、小さく記載されていました。

起こる頻度としては、『ぶどう膜炎:1%未満』とのことです。それほど要注意な副作用ではないという印象を与えますね。

しかし、先ほども説明した通り、ぶどう膜は眼の機能の重要な役割をいくつも担っており、炎症が進行すると失明する可能性もある、危険な副作用なのです。

 

【ぶどう膜炎】症状や転帰は?失明することもある?

ぶどう膜炎

<機序>

オプジーボの副作用として見られる「ぶどう膜炎」は、免疫関連性副作用とよばれ、自己免疫疾患と同じ機序で起こると考えられています。

オプジーボによって活性化された免疫細胞が、ぶどう膜の細胞を、なぜか「異物」であると誤認してしまい攻撃することで炎症が起こります。

<症状>

ぶどう膜炎の症状は、この上の図のように、ぶどう膜が炎症を起こすことによって様々な炎症物質が眼の真ん中の部分(硝子体といいます)に放出されることによって起こります。

つまり、

・飛蚊症:目の前に何もないのに、蚊がとんでるみたいな感じがする

・かすみ目(霧視):視界がクリアじゃなくなる

・羞明感(まぶしい):目に入った光が乱反射してしまいまぶしく感じる

といった症状がでてきます。

これくらいだと、まあ日常生活に大きな影響もないかなと油断しがちですが、この炎症が進行すると、「眼痛」がして目があけられなくなったり、目の充血がひどくなり見た目が著しく損なわれたりします。

 

ぶどう膜炎で失明する可能性は?機序も説明!

ぶどう膜炎②

そして、さらに怖いのは網膜剥離を合併することです。

ぶどう膜の一つである脈絡膜は、視力を生み出している網膜と接しています。脈絡膜の内側の膜が網膜です。

この脈絡膜が炎症を起こすと、炎症物質や液体の分泌が活性化され、網膜と脈絡膜の間にその液体が貯留して隙間ができてしまいます。

すると、網膜が脈絡膜からはがれてしまうリスクが高まります。ちょうど上の図のような状態になってしまうということです。

これを網膜剥離といいます。

実は網膜は、接している脈絡膜の豊富な血管から、酸素や栄養分をもらって機能しています。よって、はがれてしまうと網膜の機能が維持できなくなります。こうなると、視力を失うことにつながります。

他にも、ぶどう膜炎が進行すると、白内障や緑内障を合併しやすくなることが知られており、それらが原因で失明することもあります。

したがって、ちょっとした眼の症状しかないからといって油断は禁物です。オプジーボを使って、ほんの少しでも眼に違和感を感じた人は、眼科を受診するようにしてください。大抵のオプジーボの治療計画には、眼科検査も含まれているとは思います。

 

参考:メラノーマ患者さんは特に「ぶどう膜炎」「フォークト・小柳・原田病」に注意!

最後に参考情報ですが、実は「ぶどう膜炎」「フォークト・小柳・原田病」は、同じオプジーボ使用でも、メラノーマの患者さんで起こるリスクが高いと考えられています。

というのも、はじめにぶどう膜の説明のところで書きましたが、ぶどう膜はブドウの房みたいだから、この名前がついたのです。つまりメラニン色素を豊富にもっているということです。

これは、以前「白斑」の副作用が起こるメカニズムの説明でも書きましたが、メラノーマの患者さんがオプジーボを使用したことによってメラノーマ細胞が破壊されると、「メラニン」が大量に遊離します。

このメラニンを「異物」とみなして、免疫細胞が攻撃してしまうことが知られているため、メラニンを大量に保持しているぶどう膜、皮膚などはオプジーボによって活性化された免疫細胞の攻撃をうけやすくなります。

この免疫細胞が攻撃するのは、「メラニン」ですから、結果メラニンがつくられなくなり、髪が白くなったり、皮膚に白斑が出たりします。

眼ではターゲットになるのがぶどう膜となり炎症をおこしてしまいます。また、耳だと感音性難聴を起こしたりもします。

他には、髄膜にもメラニンが豊富にふくまれているので、ごくまれに髄膜炎を起こすことも知られています。

治療によって大量のメラニンが遊離されることが考えられるメラノーマ患者さんは、特にメラニン細胞を有する部位の副作用には注意を要する必要があると言えそうですね。

※「オプジーボの副作用“白斑”について」は、こちらの記事へ

 

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