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【オプジーボ】副作用「ぶどう膜炎」ってどんな病気?原田病とは?眼の副作用について

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【オプジーボの副作用】ぶどう膜炎について

 

みなさん、ぶどう膜炎ってきいたことがありますか?ぶどう?何それって人もいますよね。

実はオプジーボの添付文書には、「ぶどう膜炎」という副作用名が記載されています。

このぶどう膜炎って実はなかなか侮れない副作用なのですよね。というのも、ぶどう膜とは大切な眼の一部でして、ぶどう膜炎は放っておくと失明してしまう可能性もあるからです。

今日はこのオプジーボの副作用で起こりうる「ぶどう膜炎」について詳しく書きたいと思います。

 

【ぶどう膜】

ぶどう膜とは、眼の中の3つの部分を合わせたものをいいます。上の図の脈絡膜、毛様体、虹彩を合わせて、ぶどう膜というのですね。

ちょうどこの3つの部分をつなげると、ぐるっと一周円をかく感じになりますよね。

そうしてこれら3つに共通するのが、メラニンという黒い色素をもっているのです。

黒くて丸い・・・そうです。果物のブドウの房のようにみえたから、ぶどう膜とよばれています。

ぶどう膜炎とは、この3つの部位に炎症がおこることをいいます。ではどうしてオプジーボにいおってぶどう膜に炎症が起こるのでしょうか。

次はその機序について説明していきます。

 

【オプジーボ】ぶどう膜炎が起こる理由は!?

オプジーボは、ガン免疫薬として日本で一番早く承認された夢の抗がん剤です。

免疫チェックポイント阻害剤とも言われ、ガン細胞によって働きが抑制されていた免疫細胞(T細胞)を活性化させて、ガン細胞を攻撃させるというお薬です。

まだ誕生して3年と少しですから、その副作用も未知数です。

理論上は免疫が過剰に活性化されることによる、免疫関連事象(irAE)が最も懸念される副作用です。今回のテーマである「ぶどう膜炎」も、免疫に関連した事象の一つなのです。

 

添付文書には、重要な副作用として重症化しやすい副作用と、その他の副作用という2つに大別して副作用が記載されています。

ぶどう膜炎も、ぶどう膜炎を主な症状とするフォークト・小柳・原田病も、その他の副作用の表の中に小さく記載されています。

起こる頻度としては、

・ぶどう膜炎:1%未満

・フォークト・小柳・原田病:頻度不明

となっています。

 

そもそも、このぶどう膜炎という病気ですが、オプジーボを投与していない人にも起こる病気なんですよね。原因は、2つあります。

一つ目は、自己免疫疾患です。

フォークト・小柳・原田病や、サルコイドーシス、ベーチェット病といった全身に異常をきたす自己免疫疾患の、一つの症状として「ぶどう膜炎」がみられます。

 

もう一つは、感染症です。

眼の局所に、ウイルスや細菌、真菌、寄生虫などの炎症を起こす原因菌やウイルスが感染して、ぶどう膜炎をおこします。

 

このうち、オプジーボの副作用として見られる「ぶどう膜炎」は上の自己免疫疾患と同じ機序ということになります。

オプジーボによって活性化された免疫細胞が、ぶどう膜の細胞を、なぜか「異物」を誤認してしまい攻撃することで起こります。

 

【ぶどう膜炎】症状や転帰は?失明することもある?

ぶどう膜炎の症状は、この上の図のように、ぶどう膜が炎症をおこすことによって、様々な炎症物質が眼の真ん中の部分(硝子体といいます)に放出されることによって起こります。

つまり、

・飛蚊症:目の前に何もないのに、蚊がとんでるみたいな感じがする

・かすみ目(霧視):視界がクリアじゃなくなる

。羞明感(まぶしい):目に入った光が乱反射してしまいまぶしく感じる

といった症状がでてきます。

これくらいだと、まあ日常生活に大きな影響もないかなと油断しがちですよね。

しかし、この炎症が進行すると、「眼痛」がして目があけられなくなったり、目の充血がひどくなり見た目が著しく損なわれたりします。

 

そうして、怖いのは網膜剥離を合併することです。

ぶどう膜の一つである脈絡膜は、視力を生み出している網膜と接しています。脈絡膜の内側の膜が網膜ですね。この脈絡膜が炎症を起こすと、炎症物質や液体分泌が亢進し、網膜と脈絡膜の間に隙間ができてしまいます。

網膜剥離 に対する画像結果

すると、網膜が脈絡膜からはがれてしまうんですね。ちょうど上の図のような状態になってしまいます。これを網膜剥離といいます。

実は網膜は、接している脈絡膜の豊富な血管から、酸素や栄養分をもらって機能しています。よってはがれてしまうと網膜の機能が維持できなくなります。つまり、視力を失うということですね。

ほかにも、ぶどう膜炎からの失明として、白内障や緑内障の合併も起こしやすいことが知られています。

したがって、ちょっとした眼の症状しかないからといって油断していると大変なので、オプジーボを使って眼に違和感を感じた人は、眼科を受診するようにしましょうね。

 

おまけ:メラノーマ患者さんは特に「ぶどう膜炎」「フォークト・小柳・原田病」に注意しよう!

最後におまけですが、実はぶどう膜炎、とくに「フォークト・小柳・原田病」は、同じオプジーボ使用でも、メラノーマの患者さんで起こるリスクが高いと考えられます。

というのも、はじめにぶどう膜の説明のところで書きましたが、ぶどう膜ってブドウの房みたいなんですよね。つまりメラニン色素を豊富にもっているということです。

これは、以前「白斑」の副作用が起こるメカニズムの説明でも書きましたが、メラノーマの患者さんがオプジーボを使用し、メラノーマ細胞が破壊されると、「メラニン」が大量に遊離します。このメラニンを「異物」とみなして免疫細胞が攻撃してしまうことが知られているため、メラニンを大量に保持しているぶどう膜、皮膚、耳、毛髪などはオプジーボによって活性化された免疫細胞の攻撃をうけやすくなります。

 

この免疫細胞が攻撃するのは、「メラニン」ですから、結果メラニンがつくられなくなり、髪が白くなったり、皮膚に白斑が出たりします。

眼ではターゲットになるのがぶどう膜でありぶどう膜炎をおこしますし、耳だと感音性難聴を起こしたりもします。

ほかには、髄膜にもメラニンが豊富にふくまれているので、ごくまれに髄膜炎を起こすことも知られていますね。

 

治療によって大量のメラニンが遊離されることがかんがえられるメラノーマ患者さんは、特に注意を要する副作用と言えそうですね。

 

※「オプジーボの副作用“白斑”について」は、こちらの記事へ

 

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