医療,ビジネス,子育て,恋愛,あらゆるテーマをレポ

MICHIYOレポ

がん

【オプジーボ】リウマチの人は使用できない?リウマチが悪化する?

更新日:

【オプジーボ】関節リウマチの持病があるとどうなるか?

リウマチ

こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。

このブログでも何度か取り上げている夢のがん新薬「オプジーボ」。免疫チェックポイント阻害剤とも言われ、ガン細胞によって働きが抑制されていた免疫細胞(T細胞)を活性化させて、ガン細胞を攻撃させるというお薬です。

まだ誕生して3年と少しですから、その副作用も未知数ですね。

理論上は免疫が過剰に活性化されることによる、免疫関連事象(irAE)が最も懸念される副作用です。

オプジーボの添付文書には、重大な副作用として「間質性肺炎」「肝炎」「重症筋無力症、筋炎」「腎炎」などのirAEが並んでいます。

今日は、重大な副作用には記載されていないですが、非常に気になる免疫関連事象「リウマチ」についてレポートしたいと思います。

 

【オプジーボ・添付文書】その他の副作用:免疫系障害

リウマチ②

オプジーボの添付文書には、「リウマチ」関連の副作用として、リウマチ因子増加、もしくはリウマチ因子陽性といった二つの事象が挙げられています。

リウマチ因子増加とは、元々リウマチ気味だった人がオプジーボの使用によって増悪したという病態が考えられますね。

一方、リウマチ因子陽性は、もともとその素因はなかった人が、オプジーボの使用によってリウマチ気味になったということが考えられます。

いずれも、リウマチは自己免疫疾患として知られている疾患ですから、オプジーボによる免疫活性化によってその症状が出てきた(強くなった)と考えられるでしょう。

では、リウマチについてもう少し詳しく説明したいと思います。

 

【リウマチとは】原因や症状は?

「リウマチ」という疾患は副作用ではなくても、自然発生する疾患です。そんなリウマチの原因は、自己抗体とよばれるものです。

❔自己抗体とは

自分の細胞を異物とみなして産生された抗体のことをいいます。自己免疫疾患というのは、すべてこの自己抗体によって引き起こされる疾患です。

リウマチの場合は、関節を形成する組織のひとつである“滑膜“の細胞をなぜか異物と誤認してしまい、その滑膜細胞に対する自己抗体がつくらてしまうことが原因です。

滑膜細胞を異物(非自己=自分の細胞ではない)と認識するのですから、免疫細胞はその異物をやっつけようと攻撃します。その結果、滑膜が炎症を起こしてしまいます。これがリウマチの初期症状である「滑膜炎」です。

滑膜炎が起きると、私たちは「関節が痛むような気がする」といった程度の自覚症状を覚えます。また関節がわずかに腫れたりもします。しかし症状と言ってもこの程度で、この時点ではリウマチとはなかなか気づかないでしょう。

症状がすすみ、滑膜が慢性的に炎症を起こすようになると、炎症部位から放出されるサイトカインという炎症物質が関節内に大量に存在してしまいます。こうなってくると、炎症自体が関節全体に広がり、強い痛みとなります。また、関節がぼっこりと腫れあがり、次第に動かしづらくなってきます。これを「こわばり」といいます。

ここからさらに炎症が進むと、関節によってつながれている骨や軟骨にまで炎症が波及してしまいます。そうなってくると骨の変形が生じます。ついに、歩いたり、つかんだりといったことができなくなり日常生活に大きく影響がでてきます。

このように、自己抗体自体は「滑膜細胞」を攻撃するだけなのですが、その攻撃によって放出された炎症物質(炎症性サイトカイン)が、周辺の関節構成組織や、さらに骨や軟骨にまで影響を及ぼすことによって、関節リウマチの症状は進行していきます。

初期の段階で、検査によって「リウマチ」の診断を受け、適切な治療を受けることで、骨の変形まで進行するのを防ぐことができますので、風邪やインフルエンザの症状がないのに関節に痛みや腫れが見られた場合は早めに検査を受けたほうが良いでしょう。

 

リウマチの発症頻度、男女差など

さて、今回はオプジーボの免疫関連副作用の一つとしてリウマチを紹介しているのですが、ここで自然発症による「リウマチ」患者さんは、どの程度いらっしゃるのかについて書いておきたいと思います。

日本でのリウマチ罹患率は5%前後と考えられています。すなわち20人に1人くらいの割合ですね。

また、他の自己免疫疾患の傾向と同じく、女性の方が男性と比べて3~4倍患者数が多いことが知られています。

つまり100人いれば、5人はリウマチに罹患しているが、その内訳は男性1人、女性4人ということです。女性は4/50ということで、約10人に1人の割合で発症しますから、非常に身近な疾患といえます。

その他、内分泌系の自己免疫疾患なども女性の方が罹患しやすいことがしられており、何らかの性差が働く要因があると考えられています。このあたりの研究もすすんでいますが、ここでは詳細は触れないでおこうと思います。

 

【オプジーボ】リウマチ患者が使用する際の注意点など

オプジーボ

ここまでみてきたように、リウマチは20人に1人の割合で発症する疾患です。そのためリウマチ患者さんが癌を合併し、その治療にオプジーボなどのがん免疫薬を使用するということも当然考えられますしょう。

リウマチ患者さんがオプジーボを使用する際に、注意することなどはあるのでしょうか。

オプジーボの添付文書には、特にリウマチ患者さんは使用できないといった記載などはみられません。しかし最初に述べましたが、リウマチ関連の副作用として「リウマチ因子増加」という記載がございます。

リウマチを合併している患者さんは、薬でリウマチをコントロールしている状態だと思います。そこに免疫活性を起こすオプジーボを使用すると、リウマチ症状が再燃したり、増悪したりする可能性があるということです。

リウマチは慢性炎症疾患であり、関節内で炎症が収まっているうちはそれほどひどい症状はでませんが、骨や軟骨に波及すると日常生活が困難なレベルにまで悪化してしまうことも考えられます。

オプジーボ使用前には、医師に「リウマチの既往歴があること」を伝えることは当然ですが、さらに関節の痛みや腫れなどには特に注意しながらオプジーボの使用を進めたほうが良いといえそうですね。

 

【まとめ】オプジーボのリウマチ

こちらの記事(「がんが治ったのに認知症になるリスク」)にも書きましたが、私たちにとってがんの恐怖は相当なものです。そのため何より「がん治療」を優先してしまいがちなのも事実です。

しかし実際には、がん治療は成功したのに長い入院生活で認知症を発症し、治ったころには家族の顔も自分が誰かもわからなくなってしまったり・・・

やっと退院できる頃には足腰が弱って日常生活がおくれなくなってしまったり・・・

といった思わぬ「がん治療」による悪影響に苦しむことも多いのです。

リウマチ患者さんは、もともと自己免疫疾患をもっているのですから、オプジーボなどのがん免疫薬による副作用リスクは高いと考えたほうが良いでしょう。リウマチの再燃や増悪はもちろん、その他の免疫関連有害事象の発症にも注意しながら、がん治療を進めていただけたらと思います。

 

アドセンス関連広告

-がん

Copyright© MICHIYOレポ , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.