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【メラノーマの化学療法】タフィンラー+メキニストの効果は?

投稿日:2017-08-10 更新日:

メラノーマの再発防止に「タフィンラー」と「メキニスト」併用が有効か?

タフィンラー_メキニスト

こんにちは、Michiです。今日は医学(がん)レポです。

がんの中でも、比較的予後が悪い「メラノーマ(悪性黒色腫)」。これまでは有効な治療法もなく、見つかった時には転移していて絶望的ということも多いがんの一種です。

今回、そんなメラノーマの再発・転移予防のために最新の抗がん剤「タフィンラー」と「メキニスト」の併用が有効そうだ、という情報を入手したのでレポートしたいと思います。

 

【フィンラー・メキニスト】とは?

「タフィンラー」と「メキニスト」はいずれもスイスに本社をおくノバルティスファーマが製造販売している抗がん剤です。

日本では、つい最近(2016年)に、どちらも承認販売が開始されたばかりです。同じ会社の抗がん剤で、さらに同時に承認販売開始になったということで、一躍有名になりました。

タフィンラーは単独での使用も、メキニストとの併用療法も、いずれも認められています。

一方のメキニストは単剤での使用は承認されておらず、タフィンラーとの併用が条件となっています。

適応はもちろんいずれも同じ「メラノーマ(悪性黒色腫)」で、さらに「BRAF変異をともなう根治切除不能な~」という条件つきです。

両剤について、もう少し詳しく説明しましょう。

 

「タフィンラー」:(一般名)ダブラフェニブ

タフィンラー添付文書

一般名をみていただけると、もうみなさんならどんなお薬かわかりますよね。

「ダブラフェニブ」ということから、○○ニブの名称がついているので、これは抗体薬とよばれるものです。最近の抗がん剤は、本当に抗体薬ばかりになってきました。

お薬の名前に“カプセル”というのがついているため、低分子の薬?と思ってしまいがちですが、ちがうのです。これまで抗体薬は静脈注射するのが一般的でしたが、このタフィンラーは経口での投与が可能ということです!技術の進歩はすごい!

さて、肝心の悪性黒色腫に効くとされるメカニズムですが、タフィンラーの薬効は変異したBRAF蛋白の活性化を阻害する作用があります。抗BRAF作用ですね。

タフィンラー②

BRAF蛋白は、細胞の分化増殖を促すシグナルに関与している蛋白質です。変異型のBRAFは、その制御がきかず、細胞の分化増殖シグナルを常に促してしまうために異常増殖(すなわち癌化)を起こしてしまうことがわかっています。

BRAF変異は、悪性黒色腫患者さんの実に半数にみられる遺伝子変異であることが知られており、タフィンラーは、悪性黒色腫の原因となるこの異常蛋白(変異型BRAF)の働きを阻害するという効果がある薬になります。

 

「メキニスト」:(一般名)トラメチニブ

メキニスト②

一方、「メキニスト」ですが、こちらも同じく一般名は「トラメチニブ」ということで、抗体薬ですね。さらに、タブレットと書かれており、やはり経口投与ができるようです。

作用機序も、同じくMRAF蛋白が関与している細胞の分化・増殖を促すシグナルを阻害します。しかし作用点は、タフィンラーがBRAF蛋白に作用するのに対し、メキニストはMEKという蛋白に作用します。

このMEKは、BRAFと同じ細胞の分化増殖シグナルの経路に関与している蛋白一つです。

 

「タフィンラー」と「メキニスト」併用の効果

つまり、タフィンラーとメキニストは、つぶす経路は同じですが、作用させるポイントは違っているというようですね。

したがって両薬を併用することは、BRAFとMEKという二つの蛋白の働きを阻害して、細胞の分化増殖シグナル経路の活性を抑制させることができます。

1つの作用点より、2つの作用点に働くほうが効果が高くなることは簡単に想像できます。

その一方で、作用点が増えるということは、それだけ副作用も多くでることが懸念されます。

 

【副作用】

両剤の併用による副作用としては、心機能障害や肝機能障害、間質性肺炎、筋炎などが重大なものとして添付文書に記載されています。

一方、タフィンラー単独使用では、併用と同じく心機能障害、肝機能障害があがっていますが、他に「新たな癌の出現」というのが1%以上の高頻度で見られています。

これは、癌の多様性といって、感染症での耐性菌の出現とよく似たメカニズムが考えられています。このあたりはまだ研究段階の話ですので、また新しい情報があれば更新します。

 

【タフィンラーとメキニストの併用療法】再発の予防効果が高い!?

さてさて、ここまでは添付文書の内容や、ノバルティス社のHPなどから得られる一般的な情報をもとにまとめたにすぎません。

ここからが、最新情報です!

現在、「タフィンラー」と「メキニスト」の併用は、根治切除不能な悪性黒色腫の治療にのみ使用が承認されています。

根治切除不能とは、つまり原発巣は切除したが、他に転移していて切除ができない状態ということです。

しかし、現在海外臨床試験では、メラノーマを手術で切除した後に、再発を予防する目的で「タフィンラー」と「メキニスト」を投与するという試験がおこなわれています。

その第Ⅲ相試験の結果が最近報告され、プラセボ群に対して再発リスクが53%も減少するという結果が出ました。また再発した場合も、死亡に至る確率が有意に減少したとのことです。

今後は、根治切除不能な悪性黒色腫の化学療法といった使用方法だけではなく、手術切除後の再発防止として使用できるようになる日がくるかもしれませんね。

ただし治療のためならまだしも、予防のためにつらい副作用がでてしまっては本末転倒です。副作用評価なども重要な承認の判断指標となりそうですね。

 

【まとめ】タフィンラー+メキニストでメラノーマ再発予防!

今回、ノバルティスファーマから出たばかりの、悪性黒色腫の新たな治療薬「タフィンラー」と「メキニスト」について紹介しました。

どちらも、現在のところは、原発巣は切除したが、他に転移していて切除ができない状態でのみ使用が許されているという状況です。

現在、手術切除後に再発予防として「タフィンラー」と「メキニスト」の併用が有効そうだという結果がでてきています。今後も新たな情報があれば更新します。

 

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