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【化学療法】タフィンラー+メキニスト

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【メラノーマ】再発防止に「タフィンラー」と「メキニスト」の併用が有効か!

タフィンラー メキニスト に対する画像結果

「タフィンラー」と「メキニスト」はいずれもスイスに本社をおくノバルティスファーマが製造販売を行っているお薬です。日本では、つい最近の2016年にどちらも承認販売が開始されたばかりですよね。同じ会社のお薬で、さらに同時に承認販売開始ということで、一躍有名になりました。タフィンラーは単独での使用も、メキニストとの併用療法も、いずれも認められています。一方のメキニストは単剤での使用は承認されておらず、タフィンラーとの併用が条件となっています。

適応はもちろんいずれも同じ「悪性黒色腫」で、さらに「BRAF変異をともなう根治切除不能な~」という条件まで同じです。

まずは、両剤についてもう少し詳しく説明しましょう。

 

「タフィンラー」:(一般名)ダブラフェニブ

一般名をみていただけると、もうみなさんならどんなお薬かわかりますよね。

「ダブラフェニブ」ということから、○○ニブの名称がついているので、こちらは抗体薬とよばれるものです。最近の抗がん剤は、本当に抗体薬ばかりになってきましたね。

一瞬、低分子薬では?と思ってしまうのは、お薬の名前にカプセルというのがついているからですね。これまで抗体薬は静脈注射するのが一般的でしたが、このタフィンラーは経口での投与が可能ということで、これは驚きです!

さて、肝心の悪性黒色腫に効くとされるメカニズムですが、タフィンラーの薬効は変異したBRAF蛋白の活性化を阻害する作用があります。抗BRAF作用ですね。

BRAF蛋白は、細胞の分化増殖を促すシグナルに関与している蛋白質で・・・変異型のBRAFはその制御がきかず、細胞の分化増殖シグナルを常に促してしまい異常増殖(すなわち癌化)を起こしてしまうということです。

BRAF変異は、悪性黒色腫患者さんの実に半数にみられる遺伝子変異であることが知られており、まさに悪性黒色腫の原因となる異常蛋白の働きを阻害するという効果があると考えられますね。

 

「メキニスト」:(一般名)トラメチニブ

一方の「メキニスト」ですが、こちらも同じく一般名は「トラメチニブ」ということで、抗体薬ですね。こちらもタブレットと書かれており、経口で投与できるようです。

作用機序は、やはり同じくMRAF蛋白が関与している細胞の分化・増殖を促すシグナルを阻害します。しかし作用点は、タフィンラーがBRAF蛋白に作用するのに対し、メキニストはMEKという蛋白に作用します。

このMEKは、BRAFと同じ細胞の分化増殖シグナルの経路に関与している蛋白一つです。

 

「タフィンラー」と「メキニスト」併用の効果

つまり、タフィンラーとメキニストを併用することは、BRAFとMEKという二つの蛋白の働きを阻害して、細胞の分化増殖シグナル経路の活性を抑制させようということですね。

1つの作用点より、2つの作用点に働くほうが効果が高くなることは簡単に想像できます。

その一方で、作用点が増えるということは、それだけ副作用も多くでることが懸念されますね。

 

副作用

両剤の併用による副作用としては、心機能障害や肝機能障害、間質性肺炎、筋炎などが重大なものとして添付文書に記載されていますね。

一方、タフィンラー単独使用では、併用と同じく心機能障害、肝機能障害があがっていますが、他に「新たな癌の出現」というのが1%以上の高頻度で見られていますね。

これは、癌の多様性(→こちらの記事参照)のところで説明させていただきましたが、感染症での耐性菌の出現とよく似たメカニズムが考えられています。

この辺りはまだまだ研究段階でありますが、また研究がすすみ明らかになってきたらこちらのサイトでも情報をアップデートしたいと思います。

 

【タフィンラーとメキニストの併用療法】再発の予防効果が高い!?

さてさて、ここまでは添付文書の内容や、ノバルティス社のHPなどから得られる一般的な情報をもとにまとめたにすぎません。

ここからが最新情報です!

現在、「タフィンラー」と「メキニスト」の併用は、根治切除不能な悪性黒色腫の治療にのみ使用が承認されています。根治切除不能とは、つまり原発巣は切除したが、他に転移していて切除ができない悪性黒色腫ということです。

 

しかし、現在海外臨床試験ではメラノーマを手術にて切除した後に、再発を予防する役割で、「タフィンラー」と「メキニスト」を投与するという試験がおこなわれています。

その第Ⅲ相試験の結果として、プラセボ群に対し、再発リスクが53%も減少するという結果が出たということが報告されました。

また再発した場合も、死亡に至る確率が有意に減少したとのことです。

今後は、根治切除不能な悪性黒色腫の化学療法といった使用だけではなく、手術切除後の再発防止として使用できるようになる日がくるかもしれませんね。

ただし治療のためならまだしも、予防のためにつらい副作用がでてしまっては本末転倒です。臨床試験での安全性の評価結果なども重要な承認の判断指標となりそうですね。

 

今回、ノバルティスファーマから出たばかりの、悪性黒色腫の新たな治療薬について紹介しました。今後も新たな情報があれば更新したいと思います。

 

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