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【オプジーボ】臨床試験の結果について、専門家の立場から効果や安全性を解説!

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【オプジーボ】臨床試験の結果を考察

治験 に対する画像結果

みなさんからのアクセスが、やはりオプジーボやヤーボイなどの免疫チェックポイント阻害薬に集中しており、さらにいうと副作用への関心が高いようですので・・・

今回は、臨床試験の結果についても考察しておきたいと思います。

「臨床試験」というとあまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、いわゆる「治験」というものですね。

まだ承認されていない薬は、研究施設内で実験細胞などを用いて効果や副作用の予測をたてます。

次に、実験動物にお薬を飲んでもらい、どういった副作用がでるかについても確認します。これを「臨床試験」に対して、「非臨床試験」と呼んでいます。

非臨床試験を通過すると、続いて実際の人間にお薬を飲んでもらって、安全性や有効性を確認します。これが「臨床試験(治験)」ですね。

 

添付文書や申請資料には、この非臨床試験や臨床試験の結果というものも、簡潔に載せられています。今日はその内容と、さらに調査結果なども踏まえてまとめておきたいと思います。

 

【オプジーボ・臨床試験】添付文書 4.副作用

臨床試験の結果は、もちろん専門の報告書を読めばより詳細なことがわかるのですが、添付文書にもデータがのっています。

添付文書の4. 副作用というところを見てくださいね。

そこには、臨床試験でみられたオプジーボとの因果関係があると考えられた副作用の頻度が記載されています。

臨床試験で見られた副作用を以下にまとめます。

 

 

<根治切除不能な悪性黒色腫>

・そう痒症

・白斑

・甲状腺機能低下症

・白血球減少症

・CRP上昇

・疲労

・倦怠感

 

<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>

・発熱

・倦怠感

・食欲不振

・発疹

 

<根治切除不能または転移性の腎細胞癌>

・疲労

・悪心

・そう痒

・下痢

・食欲不振

・発疹

 

<再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫>

・そう痒

・発疹

・甲状腺機能低下症

・疲労

・倦怠感

・筋肉痛

 

<再発または遠隔転移を有する頭頸部癌>

・疲労

・悪心

・発疹

・そう痒

・食欲不振

・下痢

・貧血

 

こうみると、すべての適応でみられているのが、皮膚障害ですね。そう痒(かゆみ)、発疹が10~20%くらいの高い頻度でみられています。

同じ皮膚にみられるものですが、「白斑」だけはやはり悪性黒色腫の臨床試験でのみみられています。これは、以前詳しく解説しているので、そちらを参考にしてくださいね。

→オプジーボの副作用でみられる「白斑」について

 

他に全ての適応でみられているのが、全身不調(体調不良)系ですね。倦怠感、疲労、食欲不振などを認めています。この原因は、いろいろと考えられますがオプジーボで懸念されている免疫関連事象(irAE)の一つ、甲状腺機能障害に付随した症状ともいえそうです。

実際に、悪性黒色腫とホジキンリンパ種の臨床試験では「甲状腺機能低下症」が高い頻度でみられています。

→オプジーボによる「甲状腺機能障害」についてはこちらにまとめています。

 

また、消化器系の不調も見られていますね。下痢、悪心、食欲不振などがあたります。消化器系の症状は、これまでの抗がん剤では必ず起こる副作用ともいわれていましたが、オプジーボの場合はそれほど頻度は高くなく、またそのメカニズムは異なると考えられています。

詳細は下記記事にまとめています。

→オプジーボの副作用で「下痢」がみられるメカニズム

 

そのほかには、炎症系の反応がみられていますね。CRP上昇や発熱は、体の中で炎症反応が起こっているとみられます。いわゆる「○○炎」とよばれる疾患の前駆症状などです。

 

従来の抗がん剤で頻発していた血球系の副作用も、頻度は低いですが出ていますね。白血球減少症、貧血といった血球細胞の減少による症状ですね。このメカニズムは、現在の私の得ている情報からは不明です。また研究報告や文献などから情報を収集しておきたいと思います。

 

 

【添付文書】重大な副作用に載っているような事象がみられていない理由は?

このようにみてみると、添付文書の重大な副作用に載っているような、「間質性肺炎」「肝炎」「腎炎」「副腎不全」「脳炎」「重症筋無力症」「1型糖尿病」などは、臨床試験では起こっていないようですね。

ほかにもこれまで重要な副作用として私が記事にしてきた「ぶどう膜炎」「血小板減少性紫斑病」「リウマチ」なども見られていないようです。

 

なぜでしょうか?

いろいろ調べたところ、こんな情報にたどり着きました。

オプジーボの臨床試験では、既往症として自己免疫疾患を持っている人は除外されていたということです。実際のプロトコールを確認していないのですが、自己免疫疾患の会が正式に注意喚起の声明を出されていました。

つまり重大な免疫関連系の副作用が出そうなリスク患者は、臨床試験を受けていないということです。

しかし、承認されると注意喚起こそあるものの、自己免疫疾患の既往歴がある患者さんでもオプジーボの使用は禁止されていません。対象から除外はされていないということですね。

当然の結果ですが、重大な免疫関連事象の発現が、市販後で一気に報告されたということですね。

 

特に、命にかかわるのは「間質性肺疾患」です。とくに末期の肺がんの患者さんがオプジーボの適応になっているわけですから・・・もともと心肺機能が低下している状態で肺炎を発症すると…命の危険に陥るでしょうね。死者がでています。

添付文書には、【警告】として注意喚起されています。

他にも、このような注意喚起も厚労省から出ています。こちらは最近のトピックですね。報道もされていました。

「自己免疫疾患をもっている患者さんが、オプジーボとほかの免疫療法の併用で、急性心筋炎様の症状で死亡」されたということですね。

こちらはあくまでも、自己免疫疾患と併用療法への注意喚起といった報道内容でしたが、実際は自己免疫疾患の患者さんがオプジーボを含めた免疫チェックポイント阻害薬を使用するときのリスクとも考えられますよね。

 

また命の危険まではいかなくとも、非常にQOL(生活の質)が低下してしまうirAEもあります。それが、「1型糖尿病」や「大腸炎」などですね。

いったん発症してしまうと「1型糖尿病」は治らないといわれおり、一生インスリンの投与を受け続けなければいけません。また糖尿病の合併症のリスク(腎臓病や網膜症など)も考えないといけなくなります。

「大腸炎」も頻回の下痢で、外出ができなくなったりと非常にQOLが下がりますよね。

 

 

まとめ:オプジーボ臨床試験の結果(副作用)

さて、少し話がそれてしまいましたが、今回はオプジーボの臨床試験で見られた副作用について、添付文書をもとにまとめてみました。

印象としては、意外と副作用が出ていないなあという印象ですよね。

また従来の抗がん剤とちがい、消化器系や血球系の副作用はそれほど頻度が高くなく、非常に高い頻度でみられるのが「皮膚障害」だということもわかりました。これは、分子標的薬にも共通しているそうですね。いわゆる「抗体薬」の特徴のようです。

 

全然どうでもいいのですが、抗体薬というのは、お薬の正式名に「○○マブ」というのがついています。オプジーボの場合は、「ニボルマブ」ですよね。

 

以上、少しでもみなさまの参考になれば幸いです。

 

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