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【オプジーボ】副作用「免疫性血小板減少性紫斑病」ってどんな病気?

投稿日:2017-08-14 更新日:

【オプジーボ】重大な副作用の一つ「免疫性血小板減少性紫斑病」とは

オプジーボ

こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。

今日からしばらく今話題のがん免疫薬「オプジーボ」についての記事を連載したいと思います。

オプジーボは、ガン免疫薬として日本で一番早く承認された夢の抗がん剤です。免疫チェックポイント阻害剤とも言われ、ガン細胞によって働きが抑制されていた免疫細胞(T細胞)を活性化させて、ガン細胞を攻撃させるという、これまでになかった画期的なメカニズムの薬です。

しかし、まだ誕生して3年と少しですから、その効果も副作用も未知数です。

まずは、私の専門でもある副作用に着目して、オプジーボの副作用についてまとめていきたいと思います。

オプジーボの副作用としては、理論上は“免疫が過剰に活性化される”ことによる『免疫関連事象(irAE)』が最も懸念されます。

実際に、オプジーボの添付文書には、「重大な副作用」として、ずらっとirAEと考えられる事象が並んでいます。

今日は、そんな中でも気を付けたい「免疫血小板減少性紫斑病」について解説しましょう。

 

「紫斑病」とは

紫斑病

みなさん、この写真をみてどんな病気だと思いますか?

パッと見た感じは、「湿疹?」って思いませんか?

でも実はこれ、皮膚の病気ではなく血管や血液に由来する病気の症状なんです。

私たちの血管には血液が流れていますよね。

その中には、みなさんよく知っている酸素を運ぶ役割の赤血球や、免疫機構をつかさどる白血球、そしてそして血管が破れて出血したときに血液を固まらせて、破れた血管を補強する血小板などの血球が含まれています。

この上の写真は、これらの血球のうち、「血小板」の異常でみられる症状です。

この赤い斑点は、体表の細かい毛細血管から出血し、組織内に赤血球が染み出てしまっている状態です。つまり小さな内出血が点在しているのですね。

なぜこんなに内出血が起こるかというと、血小板が極端に少なくなったことによります。

この点々を、「紫斑」と呼ぶため、「紫斑病」という名称がついています。

 

【オプジーボのirAE】オプジーボで紫斑病が起こる機序は?

紫斑病②

ではなぜこの「紫斑病」が、オプジーボの副作用として起こるのでしょうか?

つまり、なぜオプジーボによって血小板数が減少するのかということについて考えてみましょう。

そもそも、この病気の正式名称は「免疫性血小板減少性紫斑病」です。名称の通り、「免疫」のはたらきによって、「血小板が減少」することによってひきおこされる病気なのです。

みなさん聞いたことがあると思いますが、「自己免疫疾患」と呼ばれるものの一つです。

通常、免疫システムというのは、非自己(異物、自分の細胞以外のもの)を見つけた場合だけその相手を攻撃し、破壊するという役割をもっています。

しかし、なぜか、免疫細胞が自分の細胞を「異物」だと誤認してしまい、攻撃・破壊してしまうことによっておこる病気が『自己免疫疾患』です。

 

この「免疫性血小板減少性紫斑病」も、免疫細胞が自分の「血小板」を異物だと誤認してしまい、攻撃して破壊してしまうことで、血小板の数が大きく減少し、そして体のいたるところが出血しやすくなってしまい紫斑ができる病気です。

はじめに説明しましたが、オプジーボは免疫機能を活性化させるお薬です。

活性化された免疫細胞たちは、これまでとくに気にも留めなかった「血小板」を、なぜだか異物だと勘違いしてしまい、攻撃・破壊してしまうのです。

これが、オプジーボによる「免疫性血小板減少性紫斑病」の起こる機序ということですね。

 

従来の抗がん剤でも、「血小板減少」という症状は多く報告されてきました。

しかし、従来の抗がん剤の場合は、抗がん剤が直接血小板を破壊することでおこっていました。この機序は、がん細胞と血球細胞が増殖スピードが同じくらいの速さのために、がんとは関係のない血球細胞も抗がん剤によって破壊されてしまうことによるものです。そのため、血小板だけでなく、赤血球や白血球など、骨髄でつくられる血球が全体的に減少します。

しかし、オプジーボの場合は、免疫を介して起こるため血球すべてが一律減少するということではなく、あくまで血小板が特異的に攻撃を受けてしまう“免疫血小板減少性紫斑病”という特殊な副作用が見られるのです。

同じ抗がん剤による「血小板減少」でも、大きく機序が異なることに注意すべきです。

 

では、ここからは、この副作用の症状や治療法についてみていきましょう。

【免疫血小板減少性紫斑病】症状や治療法、予後は?

紫斑病③

オプジーボの作用機序のような、免疫を活性化させる薬というのは、これまで世の中になかった薬です。

そのため副作用としての「自己免疫性血小板減少性紫斑病」に関する症状や治療法は、まだ確立されていません。

しかし、この「自己免疫性血小板減少性紫斑病」は、もともと子供に多く発症する原因不明の自己免疫性疾患として有名なものです。

国の指定難病にも認定されており、実際は子供だけではなく大人にもみられ、大人の場合はとくに女性に多いという傾向もある疾患です。

そのため、昔からこの疾患に関する研究はおこなわれており、症状や治療法も近年確立されつつあるという状況です。

したがって、オプジーボの副作用として起こる「自己免疫性血小板減少性紫斑病」についても、同様の診断や対処をとることが基本とされています。

 

【自己免疫性血小板減少性紫斑病】症状は?

症状は、基本的には紫斑が最も多くあらわれる症状で、ほかにも少し進むと、口腔内出血や、鼻出血(鼻血ですね)、さらに危険な頭蓋出血などを起こすこともまれにあるそうです。

 

【自己免疫性血小板減少性紫斑病】治療法は?

治療ですが、軽度の場合は自然治癒することも多く、オプジーボによる場合も投与を中止することで治癒することもあるでしょう。

自然治癒が難しい場合は、基本的には免疫力を抑えるための「ステロイド薬」が用いられることがほとんどです。これはオプジーボによる副作用の場合も同じで、薬によって活性化させた免疫細胞を、いったん鎮める必要があるためステロイドの投与が最もスタンダードな治療です。

たいていはステロイド薬で治癒しますが、効果がない場合は血小板を破壊する場所である「脾臓摘出」も非常に効果が高いことが知られています。

 

 

まとめ【オプジーボの副作用:自己免疫性血小板減少性紫斑病】

オプジーボによるirAEの一つに自己免疫疾患として知られる「免疫性血小板減少性紫斑病」があります。

添付文書では頻度は不明との記載ですが、一定数みられている副作用の一つになります。

症状は、血小板数が減少することによって、微小血管がもろくなり出血しやすくなります。その結果、体表に赤紫色の斑点が複数点在するようになり、これを紫斑とよぶためこのような病名がつけられました。

薬の休薬や中止により自然治癒する場合もありますが、進行すると粘膜出血や、頭蓋出血といった命にかかわる部分からの出血もみられるため、早めの対処が必要になります。

対処法は、ステロイド薬で免疫機能を抑えたり、脾臓摘出による血小板破壊を停止するなどの措置が現在行われております。

早期発見のポイントは、オプジーボ投与中などに皮膚に赤い点々が見られたときは、ただの湿疹と思って放置せず、すぐに医師に相談することです。

そうすれば、紫斑病かもしれないとして血液検査をして血小板数を調べてくれるでしょう。

もし医師がそういった対応をとってくれない場合は、しっかり自分から相談するようにしてください。なにせ、オプジーボはまだ登場して間もない抗がん剤です。医師もまだまだ副作用については手探りの状態とも言えます。

 

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