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【オプジーボ】副作用「白斑」がでるメカニズムは?メラノサイトと関係がある?

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【白斑】オプジーボをメラノーマの患者さんに使用すると白くなる?

白斑

こんにちは、Michiです。今日は医学レポです。

みなさん、「白斑」ってご存知ですか?数年前に某化粧品(美白化粧品)を使用すると白斑が出るということで大きな問題になったことがあるため、女性の方は聞いたことがあるかもしれません。

私たち日本人の多くは、黄色人種です。皮膚が真っ黒でもなければ、真っ白でもなく、人によってやや黒っぽかったり、色白な人もいますが、基本的には「肌は肌色」をしていますよね。色鉛筆に「はだいろ」という色が存在するくらいですからね。

この黄色人種特有の肌色は、皮膚に存在する「メラノサイト(メラニン産生細胞)」がメラニンという黒っぽい色素をつくることによって生まれています。その色素量によって、ちょっと茶色い肌の人もいれば、色白な人もいます。

また紫外線によって、メラノサイトが活性化され、メラニンの産生が増加することで、肌が黒く(いわゆる「日焼け」)なることもあります。

このメラニンをつくるメラノサイトが異常増殖するがんが「メラノーマ(悪性黒色腫)」ですね。

メラノーマは長らく有効な治療法がなく死亡率の高いがんとして恐れられてきました。

そんなメラノーマの患者さんにとって、夢の薬「オプジーボ」は使用できるようになったのは、まだ3年ほど前の話です。近年まとまった副作用データが発表されるようになり、メラノーマ患者さんがオプジーボを使用すると「白斑」が出現することが多いことがわかってきました。

今日はそのメカニズムについて、最新の研究報告もしつつレポートしたいと思います。

 

【添付文書】オプジーボの副作用「その他:白斑」

まず、添付文書を確認してみましょう。

上の通り、添付文書の3ページ目「その他:副作用」の表の一番下に「白斑」という副作用が書かれていますね。「皮膚色素減少」も白斑と近いものだと考えられます。

発症頻度は、下記のとおりそれほど多くはないようです。

★白斑:1%未満

★皮膚色素減少:1%未満

★尋常性白斑:頻度不明

またメカニズムが同じではないかと考えられるものとして、「毛髪変色」「白髪」というものも、副作用として記載されています。

 

【メカニズム】オプジーボで白斑がみられるメカニズム

では、いよいよ本題の白斑ができるメカニズムについて考えていきましょう。

オプジーボは、T細胞を活性化させてがん細胞をやっつけるお薬です。メラニンをもつメラノサイト細胞を攻撃するといった特徴があるわけではなく、PD-1というたんぱくを発現することで、これまでT細胞からの攻撃を免れていた細胞たちが、オプジーボによってその防御能が解かれ、攻撃されるという仕組みです。

したがって、メラノーマの患者さんがオプジーボの投与をうけると、これまでPD-1によって攻撃の防御をうけていた癌化したメラノサイト細胞が、一斉にT細胞から攻撃をうけることになります。

その結果、メラノサイト細胞が壊死し、細胞内にあった「メラニン」が血液中に遊離します。

 

私たちの体には、異物をみつけると、直接攻撃したり、抗体というタンパクをつくってやっつけようとするしくみが存在しますよね。それが免疫というものです。

がん細胞から遊離した「メラニン」も異物と認識され、その異物(メラニン)に対する抗体がつくられます。すると、そのつくられた抗体が体内のメラニン産生を抑制してしまいます。

その抑制作用が強いと、「白斑」「皮膚色素減少」「白髪」といった副反応がみられる可能性があるということです。

 

このメカニズムは、理論上だけの話ではなく様々な根拠をもって論じられているものです。

【根拠1】メラノーマの放射線治療後にも「白斑」

メラノーマの治療には、古くは放射線治療が行われていました。

その放射線治療でも白斑が出現することがありました。しかも、メラノーマの黒色斑の部位に放射線を当てると、その患者さんの放射線を照射していない皮膚に「白斑」や「皮膚色素減少」がみられるというのです。

この現象を説明するには、放射線によってメラノサイト細胞が壊されメラニン産生ができなくなって白くなるのではなく、遊離したメラニンに対する抗体産生が起こるというメカニズムが最もしっくりくるのです。

 

【根拠2】オプジーボを使用したメラノーマ患者さんの「良性母斑(ほくろ)」にも変化が!

こちらは最近の文献で報告されていました。

メラノーマの患者さんで、皮膚初発部位から、肺や肝臓に転移してしまい、外科的に切除できなくなりオプジーボでの治療が開始されたということです。

その結果、転移部位のメラノーマは縮小傾向で「オプジーボがよく効いた」と喜んでいたそうです。

その際、見られた副反応が、メラノーマとは関係のない「ほくろ(両性の母斑)」がなぜか赤く腫れてきたそうです。ほくろはもともと茶褐色だったものが、炎症をおこして赤く腫れたと考えられます。さらにその後、治癒の過程で白っぽくなっていったそうです。

 

オプジーボの作用は、T細胞を活性化しガン細胞を攻撃させることですので、オプジーボによって活性化されたT細胞ががん細胞ではない「良性母斑(ほくろ)」を集中的に攻撃したとは考えづらいものです。

となると、この患者さんの場合、オプジーボによってメラノーマ細胞が縮小傾向だったということから、メラノーマ細胞が崩壊壊死し、そこに含まれていた「メラニン」が遊離していたはずです。

そして遊離したメラノサイトに対して、メラニン抗体が産生されたことで、その抗体が体のメラニンを有する細胞を攻撃し(つまりほくろを攻撃し=赤く腫れた)、さらにメラニン産生が抑制された(ほくろが白色化した)といったことが考えられます。

 

考察・まとめ

オプジーボの副作用「白斑」「皮膚色素減少」などは、オプジーボによって「メラノーマ細胞」が崩壊壊死した結果、遊離したメラニンに対する免疫が惹起されることで、体のメラニン産生が抑制されることによって起こるというメカニズムが現在のところ最も有力なものです。

これは、

オプジーボの副作用として「白斑」などの症状がみられるということは、オプジーボがメラノーマ細胞を破壊した結果ということもできます。

すなわち、

オプジーボ使用後の「白斑」関連の副作用の有無は、オプジーボがメラノーマに効いているかどうかの一つの指標になる可能性があるということでしょうね。

今後の研究に期待しましょう。また新しい情報が出たら更新レポしたいと思います。

 

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