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【武田薬品】社内ベンチャー「コーディア」が本格始動!

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武田薬品の湘南研究所内は、2016年からまさに大改革が行われています。以前の記事(→【製薬会社のリストラ事情】国内最大手「武田薬品」が大規模改革 )にも書きましたが、大規模なリストラ、さらに安全性研究所などの研究の下流部門を本体から切り離したりと・・・なかなかの改革っぷりでした。そうして、人員整理して浮かせた経費は『社内ベンチャー』などの新たなプロジェクトに費やされています。この度、武田湘南研究所内で社内ベンチャー『コーディア』が本格始動したとのことですので、そのあたりのことを詳しく紹介したいと思います。

 

【社内ベンチャー】武田薬品が立ち上げた『コーディア』の意義は?

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武田薬品は湘南研究所内の大改革の一つとして、社内ベンチャー『コーディア』を立ち上げました。その存在意義は、武田本体では切り捨てられてしまった、疾患領域や治療メカニズムなどの研究開発をすすめていくというようなところにあるようです。

最近このような社内ベンチャーは、製薬会社に限らずさまざまな大手企業で設立されています。私の記憶が正しければ、大手電機メーカーなどが5年くらい前からやっていたような気がします。

※なぜそんなことを知っているかというと、私は2年前まで製薬会社の研究員でした。大手国内メーカーです。ちょうど入社2年目の頃だったと思いますが、社内で大々的に『新規プロジェクト提案』のようなことが行われました。私はその提案でまさに『社内ベンチャーの立ち上げ』を提案したんですよね。その時に国内で『社内ベンチャー』を立ち上げていた会社が2社ほどあってそれがたしか電気系だったような。。。(記憶があいまいですみません)結局採用されませんでしたし、なんの反応もありませんでしたので私の記憶も薄れてしまいました。私がいた会社はもっと利益に直結しそうな(3年以内には成果がでそうな)提案を採択していたように思います。残念でしたね。

私の提案は、まさに今武田薬品がやっていることそのものでした。あの時採用してくれていたらどの製薬メーカーよりも先に『社内ベンチャー』をアピールできたのにって・・・まあそんなことは退職した今はどうでもいいです(笑)

しかしながら、武田薬品の最近の横暴な改革には賛否両論ありますが、私は第3者的な立場からみて『いいね!』と思います。それくらい大きな会社の一員ってつまらないですから。。。製薬メーカーの研究職もしかり。まあ、このあたりのことは、【こちらの記事】にまとめていますのでよかったらどうぞ。

 

【コーディア】構成や今後の展望

まだまだスタートしたばかりで、まだあまり知られていない『コーディア』の基本情報についてまとめておきたいと思います。

◆設立者:武田薬品の元研究者(6名)

◆代表:三宅洋さん(元:武田湘南研究所・癌研究所長のような立場の方)

◆出資:武田薬品、京大、三菱UFJ・SMBCのベンチャーキャピタル

◆研究領域:新規抗がん剤の研究開発(武田薬品とライセンス契約を結んだ化合物)

というのが、基本情報になります。先ほども少し触れましたが、武田薬品本体では利益が見込めなかったりと様々な理由で切り捨てられてしまった化合物を引き継ぐというような形で進められるようですね。設立者ももともと武田の研究員だったメンバー6名ですし、施設もこれまで通り武田の湘南研究所内の施設を利用できるそうです。

これまで通り研究できるという環境ですので、やりやすいと言えばやりやすいですよね。ただし出資が、武田薬品だけでなく大手のベンチャーキャピタルも参加しているので、もし大きな結果を出したら、面白い展開になるなあと思います。

※ちなみに私が前職の製薬メーカーにいたときに提案した内容は、まさにこれです。武田を例にお話しさせていただくと、出資は武田+外部会社も入れること。そして結果が出たときに武田にすぐ買収されないようにすること。その代わり、成化が出なかったときは武田本体に戻ることができるということ(これは甘いですが)、という風に提案しましたね。

 

【ブロックバスターを目指す】まずは武田薬品から譲り受けた分子標的薬で!

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『コーディア』の代表となった三宅さんは、『目標はブロックバスター』とおっしゃっています。ブロックバスターとは、これまでにない新たな治療アプローチなどで市場を開拓し、これまで費やした研究開発費を回収しさらなる売り上げをあげる大型医薬品のことを言います。

写真は小野薬品のがん免疫薬『オプジーボ』ですが、これもまさにブロックバスターですね。2010年以降最大のブロックバスターではないかと言われており、この新薬の登場は医療業界に大きな変化をもたらすことになりました。いえいえ、医療業界だけではなく、もはや社会全体に大きな影響力を発揮しました。(たとえば薬価の問題もその一つですね。オプジーボの登場でまさかの財政危機に直面するという・・・こちらの記事もどうぞ→【製薬会社】大リストラ時代が再び到来か?薬価改定の毎年実施が及ぼす影響

『コーディア』は、いわば武田薬品本体が見捨てた新薬の種を譲りうけるわけですが、当然大化けする可能性はあります。ブロックバスターを目標に!というのも全く可能性がないわけではないでしょう。

とくに抗がん剤の領域で、標的分子薬のCLK阻害薬は現在前臨床の段階にある化合物です。前臨床とは、非臨床とも呼ばれる段階で、臨床じゃない段階、すなわち人にはまだ投与できない段階ということです。動物実験で安全性を確認している段階ですね。

前臨床で安全性が確認できれば、臨床試験に入ることになります。これは業界にいた人間として言えることですが、抗がん剤の安全性のもとめられるレベルは高くありません。

どういうことかというと、生活習慣病や、QOLのお薬(生活を向上させるための薬)と違い、抗がん剤は命に直結する薬ですので、多少の副作用は織り込み済みで進めるのです。

結局重要なのは、既存薬にいかに勝っているか、差別化ができるかという点です。つまり効果があるかないかが何より大切です。今後、前臨床から臨床に進んでいく中で、どういった適応症でせめていくのか、そのあたりで三宅さんの手腕がとわれそうですね。

しかしながら、世界的にみれば、過去にはさまざまなベンチャーや小規模な製薬会社からブロックバスターが生まれています。その小さな会社たちがどうなったかというと、売れたがために大手製薬メーカーに目を付けられ、買収されてしまっています。

買収大好きなアメリカの巨大メガファーマ『ファイザー』は多くの小さな会社をブロックバスターごと買っては、さらに巨大化していきました。

ブロックバイスターが目標という『コーディア』は、今後どうなっていくのでしょうか。

 

社内ベンチャーの設立を提案していたが実らなかった立場として、武田薬品から生まれたベンチャー『コーディア』の今後の動向には注目したいと思います!また何かあれば追記します。

 

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